足の痛みの専門家による足と靴の悩み対処法

足底筋膜炎治療家として日々の仕事で受けた質問や、行ったアドバイス、対処などを紹介するブログ。足底筋膜炎は多種多様で、想像以上に奥深く、根深い。足底筋膜炎に20年以上悩まされた経験から、少しでも同じ悩みの人の役に立ちたいと思っている。

偏平足ってなんでなるの?偏平足になった理由が知りたい!

足の変形で最も有名なのが偏平足ではないでしょうか。
でも意外と「変形」という認識が無い人も多いです。

きっと、偏平足の成り立ちが関係しているのでしょう。

何故偏平足になるのか、その理由を説明していきたいと思います。

偏平足ってなんでなるの?偏平足になった理由が知りたい

偏平足ってなんでなるの?偏平足になった理由が知りたい

 

偏平足になる理由

偏平足の成り立ちは大きく分けて2つ

1つは土踏まずが正常に形成されていない足。

もう一つは、一度形成された土踏まずが消失した足です。

 

偏平足というのは、簡単に言うと土踏まずが無い足のことです。

つまり、土踏まずが出来なかった足と、土踏まずが無くなってしまった足ということです。

事故や病気という原因が無い限り、この2つのうちのどちらかのはずで、自己と病気を除いて、もう少し詳しく理由を見ていきましょう。

そしてどちらの原因にも遺伝が大きな要因として影響してきます。

 

 

子供の頃から偏平足だった場合

原因は遺伝?子供の頃から偏平足だった場合

原因は遺伝?子供の頃から偏平足だった場合



子供の頃から偏平足だったというのはつまり、土踏まずが形成されなかった足ということです。

この土踏まずが形成されなかったタイプもさらに2つあって、

1つ「完全に遺伝のタイプ」で、その人の骨格が土踏まずの無い足をゴールとして成長したタイプ。

もう1つは「強い負荷によるタイプ」で、外的な要因が影響して土踏まずが出来なかったタイプ。

外的な要因が影響というのは例えば、小さいころからハードなスポーツを行った結果、大人になったら偏平足だったということです。

 

 

土踏まずが無くなって偏平足になった場合

足の強度を超えた負担が偏平足の原因となった

足の強度を超えた負担が偏平足の原因となった

土踏まずが出来たけれど無くなってしまう理由は「足の強度を負担が超えてしまったから」と言ってよいでしょう。

つまり、強い負荷よるタイプの仲間と言って良いでしょう。

負荷の強度や種類は人によって違って、弱い負荷でも影響がある人もいれば、非常に強い負荷がかかり続けることで影響が出てくる人もいます。

 

足は小さい骨の集まりで、その骨は隣の骨と靭帯で結びついています。

足の強度と言ったのは、この結びつきが強いか弱いかのことで、結びつきがしっかりしている人は偏平足にはなりづらく、結びつきが緩い人は偏平足になりやすいです。

 

ここから先は可能性の話になってしまいますが、結びつきが弱い人は、重いものを持ったりたくさん歩けば偏平足になってしまう可能性が高くなりますし、結びつきが強固な人は、重いものをたくさん持ったままたくさん歩いても偏平足にならないかもしれません。

 

そして、どの程度の負荷が過負荷になるかはその人の足の強度によって違ってきて、その強度はたいていの場合遺伝によって決まるといえるでしょう。

 

 

番外編:意外なことが原因で偏平足に

脂肪が土踏まずを埋め立てて偏平足に見える

脂肪が土踏まずを埋め立てて偏平足に見える

そして、それ以外に1つ偏平足を作るすごい要素があります。

何だと思いますか?

 

それは脂肪です。

 

体にたくさんの脂肪がついている人の場合、偏平足になりやすいのです。

理由は土踏まずを、脂肪で埋め立ててしまうから。

同じ様なことが強い「むくみ」によっても起こります。

ただしこの場合は、必ずしも骨格の構造が崩れてしまって偏平足となったわけではありませんから、変形による偏平足とはちょっと別なのですが、それでも土踏まずが無い足を偏平足と呼ぶのなら、この場合もやはり偏平足だと言えます。

もちろん、脂肪が多い体系の人でも、足の骨格が崩れて偏平足になっているケースはありますから、その場合は普通の偏平足と同じですね。

 

 

女性限定の偏平足になりやすくなる要因

出産の影響が残る産後は偏平足になるリスクが高まる可能性がある

出産の影響が残る産後は偏平足になるリスクが高まる可能性がある

女性が偏平足になりやすくなる時期と考えられるのが、出産です。

出産のために骨盤を緩めるホルモンは全身に作用して、産後数か月にわたってその影響は残ります。

出産後、ゆっくりと横になり、体に負担のかからないような生活を送ることが出来ればその影響は最小限で済みますが、お兄ちゃんお姉ちゃんがすでにいる場合など、そうもいかないことも多くあります。

産後それほど日がたっていないのに、脱ぎ履きが楽だからと言って柔らかいバレエシューズなどを履いて、重いものを持ったりすることがあれば、偏平足になるリスクは高まるでしょう。

 

影響を与えるもの

履く靴の影響は大きいです。

特に、完全遺伝のタイプだったとしても、インソールで土踏まずをを作りながら成長することによって、土踏まずのある足になることもあり得ます。

これは、ひとりの人でインソール有りで成長した場合と、無しで成長した場合の比較ができないので、可能性があるという話になってしまいますが、成長する力を借りて変形を矯正するというのは非常に有効な手段です。

足の骨格の結びつきが弱くて偏平足になりやすい人でも、アーチのしっかりとしたインソールの入った靴ばかり履いていれば、偏平足にならずに済むかもしれません。

 

まとめ

「骨格」と「足の強度」と「負荷」という要素が関係して偏平足になっています。

骨格も足の強度も遺伝的要因ですから、初めから偏平足のままの人も、後から偏平足になる人も、どちらも遺伝の影響がとても大きいということが言えます。

ご自分の偏平足の理由を考える時は、3つの要素についてご自分の足を照らしてみて下さい。

それから、3つの要素のうち「負荷」については軽減する方法があります。

それがインソールと靴の役割です。

体の柔らかい人、関節が緩い人はサポートするためのインソールや靴を履いたほうが良いでしょう。

関節がしっかりしている人でも、痛みが出てきたような場合は、変形が進まないようにインソールや靴によるサポートがあったほうが良いでしょう。