足底筋膜炎のインソール、市販品の選び方シダス・スーパーフィート・ソルボ・ザムスト・rutschどれを買えばいいの?
この記事で分かることです。
・市販のインソールの特徴
・市販のインソールが有効な足底筋膜炎のタイプ
・市販のインソールが適応ではない足底筋膜炎のタイプ
・市販品のインソールのどれが自分に適しているか。足の特徴別、市販インソールの選び方
インソール選びの参考にしてみて下さい。
足底筋膜炎の痛みは、我慢できないほどじゃないことが多いですが「気になる」という人が多いんです。
だから「市販の既製品のインソールで何とかならないかな?」と思う人も多いでしょう。
とはいえ、沢山ある既製品の中から、自分の足に合った商品を探すのは大変なことですよね。
色々な商品の説明を読むと、どれも良さそうだけれど「どれが自分に合うのか」となると、???となってしまいます。
その理由は、自分の足の状況が分からないからです。
そこでこの記事では、市販の既製品の中でも有名な、シダス、スーパーフィート、ソルボ、ザムストと、rutschの既製品について、どういうタイプの足底筋膜炎にどの市販品が向いているかを説明します。
市販品のインソールは、色々な種類が販売されていますが、構造から2つに分かれます。
これは私の勝手な呼び方ですが、ここではハード系とソフト系という呼び方でこの2つについて話をします。
- 足底筋膜炎のハード系市販品インソール、シダス・スーパーフィート・ザムスト
- 足底筋膜炎のソフト系市販品インソール、ソルボ・rutsch
- 市販品インソールを選ぶための、足底筋膜炎の痛み4条件
- 足底筋膜炎にハード系の市販品インソールが有効な足のタイプ
- 足底筋膜炎にソフト系の市販品インソールが有効な足のタイプ
足底筋膜炎のハード系市販品インソール、シダス・スーパーフィート・ザムスト
ハード系とは、樹脂製のパーツの立体形状でサポートを行うタイプのインソールです。
今回名前を挙げた市販品では、シダス・スーパーフィート・ザムストがこのタイプにあたります。
特徴
・縦アーチのサポートがメイン
・横アーチのサポートは無いことが多い
・中足部(足の中央)のサポートが強い
今回紹介している3ブランドについては、裏面の樹脂パーツを加熱して足に合わせて加工する半既製品のセミオーダータイプがあるという点でも共通しています。
では、3ブランドの違いが何かというと、足の中央部分を支える形状のカーブの形です。
この説明では何のことか分からないかもしれませんが「そうなんだぁ」くらいに思っておいてください。
各社とも、目指している機能は似ていますが、それを「形」にした結果として、違いが出ていると考えて下さい。
そして、その「形」が全ての商品の基礎となっていますから、各社ともその形状のベースは1つと考えて良いでしょう。
全ての商品は、そのベースのアレンジです。
だから、2020年4月現在、シダスは既製品が23種類、スーパーフィートは20種類が各社のホームページで紹介されていますが、複雑に考えて迷う必要はありません。
今回紹介している3ブランド=3商品くらいに考えておいて下さい。
足底筋膜炎のソフト系市販品インソール、ソルボ・rutsch
ソフト系とは、パーツ、素材の厚みによってサポートを行っているタイプのインソールです。
今回名前を挙げた市販品では、ソルボとrutschがこのタイプにあたります。
特徴
・横アーチをサポートしている
・縦アーチへはあまりアプローチしていない
・中足部(足中央)のサポートも行っている。
「ソフトなインソールは、ハート系のインソールに比べて頼りないなぁ」とお考えになる方もいるかもしれませんね。
強度は靴に任せて、インソールは足に当たるものなので、硬すぎないほうが良いとも考えられます。
どちらの考えが正しいということはありませんが、私自身は、この記事の後の方で説明する『ハード系が有効な足のタイプ』以外にはソフト系の方が良いという風に考えておりますので、そういう立ち位置からの説明となっていることはご理解ください。
では次は、足底筋膜炎について説明しましょう。
市販品インソールを選ぶための、足底筋膜炎の痛み4条件
足底筋膜炎という一つの病名ですが、3つの条件でタイプが分れます。
・痛みの出るタイミング
・痛みの場所
・痛みの出る環境
足底筋膜炎は、症状が変化しながら進行していくのが特徴です。
痛みが強い時もあれば、ある時から痛くなくなったりすることもあります。
時期や原因によって痛みの場所、痛みの出る環境、痛みのタイミングが違ってくるので、その時の状況によって対処法が異なります。
そこで、足底筋膜炎の市販品インソールを選ぶうえで参考にする条件を、痛みの状況で4つに分けて説明しましょう。
あまり複雑だと、自分がどれに当てはまるのか分からないことが出てきてしまうでしょうから、このぐらいで丁度良いのではないでしょうか。
1長く歩くとチクチク痛い
2歩きはじめで痛い
3立ち仕事で疲れると痛い
4踵を着くだけでいつも痛い
ほとんどすべての方がこのどこかには当てはまるのではないかと思います。
1から4を選んでいただいたら、市販品のインソールで効果が期待できるものと、期待は薄いもの、全く不向きなものに分けましょう。
それがこちら
1長く歩くとチクチク痛い
→OK!試してみる価値あり
2歩きはじめで痛い
→効果の期待薄!セルフケアをしよう
3立ち仕事で疲れると痛い
→OK!試してみる価値あり
4踵を着くだけでいつでも痛い
→NG!皆諦めてオーダーに来る
1と4は、足底筋膜炎の痛みを市販品のインソールで対処できる可能性がありますので、後ほど詳しく解説していきます。
2の『歩きはじめで痛い』タイプは、既製品では効果の出るタイプの人が少ないことが予想されます。
それよりも、太ももやふくらはぎの入念な柔軟体操や、足のマッサージなどの方が、効果を得られる可能性が高いので、そちらをお勧めします。
マッサージの方法については、こちらの2記事を参考にしてみて下さい。
4の『踵を着くだけでいつでも痛い』タイプは、市販の既製品では改善は望めない可能性が高いです。
というのも、多くの方が色々な既製品を試して、駄目で、私のところに作りに来るケースが多いからです。
一番多い人は、4種類の別メーカーの市販品を購入して、全部持ってきて見せてくれましたが、全部だめだったということです。
この場合は、もうオーダーのインソールが良いでしょう。
市販の既製品も、4種類も買うと2万円近くなりますから、作ったほうが早いと言えます。
ただし、この症状に対応できていないオーダーインソールも見かけます。
病院で保険を使って作ったけれど、痛みは全く変わらないという例もありますから、オーダーならどこでも良いというわけでもないのが難しい所です。
はっきり言えるのは、ここで紹介しているハード系の市販インソールが行っている、半既製のセミオーダータイプのインソールは、既製品と同様に不向きですので、ご注意ください。
足底筋膜炎にハード系の市販品インソールが有効な足のタイプ
ハード系の市販品インソールが有効な足のタイプは、『長く歩くとチクチク痛い』と『立ち仕事で疲れると痛い』どちらにも共通で、強い偏平足のある人です。
強い偏平足というのは、上の画像のように、足首が内側に向かって曲がってしまう(内倒れ)くらい変形がある状態で、この内倒れを防ぐようにしっかりとアーチを上げる必要があるため、ハード系のインソールが適しています。
とはいえ、持ち上げすぎもまた逆にストレスとなってしまいかねません。
アーチの高さを3段階に分けた商品を取り扱っているブランドもありますが、おススメは一番低いタイプです。
どうしても低いタイプでは不安という場合でも、せいぜい真ん中のレベルで十分ですから、決して高いアーチのタイプは選ばないでください。
足底筋膜炎にソフト系の市販品インソールが有効な足のタイプ
強い偏平足以外で、『長く歩くとチクチク痛い』と『立ち仕事で疲れると痛い』に当てはまる人は、ソフト系の市販品インソールがおススメです。
くれぐれもアーチの上げ過ぎには注意し、持ち上げられているという感じはNGです。
触れているか、せいぜい軽く支えられている程度の感覚で十分で、むしろ少し低めくらいで良いでしょう。
大切なのは縦アーチよりも横アーチで、強い偏平足のひと以外はソフトタイプがおススメな理由は、横アーチがあるからです。
では、ハード系が絶対だめか?と聞かれると、そこまでは言えません。
「足底筋膜炎になったからインソール買って使っていて、痛くなくなった」という人の中には、ハード系のインソールを見せてくれる人もいます。
これは、中足部を支える形状がその人と合っていたということになります。
ただ、どのブランドの商品の形状がどの人の足に合うかは、使ってみないと分かりませんから、だったら「横アーチをサポートするタイプの方が合う可能性が高い」というのが、この記事での結論となります。
市販品のインソールは、初期の足底筋膜炎の場合、多くの方が効果を実感しています。
ただ、ミスマッチが起こるとどうしても無駄な買い物となってしまいますので、なるべく無駄な買い物とならないよう、参考にしていただいてお役に立てれば幸いです。