足の痛みの専門家による足と靴の悩み対処法

足底筋膜炎治療家として日々の仕事で受けた質問や、行ったアドバイス、対処などを紹介するブログ。足底筋膜炎は多種多様で、想像以上に奥深く、根深い。足底筋膜炎に20年以上悩まされた経験から、少しでも同じ悩みの人の役に立ちたいと思っている。

健康寿命を延ばす足の健康に大切な靴選びについて

健康寿命を延ばす足の健康に大切な靴選びについて

健康寿命を延ばす足の健康に大切な靴選びについて

健康寿命』という言葉をご存じですか?

 

新しい寿命の指標で、日常生活に制限なく暮らせる期間のことを言います。

 

日常的に介護の必要なく自立して生活が出来ている年数の事です。

 


日本は平均寿命は世界でも長寿国で知られていますし、健康寿命も実は2016年には世界1になるほど長いです。

 

しかしこれ、喜んでばかりもいられません。

 

動画でご覧になりたい方はこちら


平成22年の厚生労働省の資料によると
男性の平均寿命が79.55才 健康寿命が70.42才と差が9.13年もあります。
女性は平均寿命が86.30才で健康寿命が73.62才と差がなんと12.68年もあるんです。

 

とんでもないことだと思いませんか?

 

健康寿命というのは「日常的に介護の必要が無く、自立して生活できている年数」のことですから、その期間と平均寿命の差がこれだけ長いということは、自立して生活できない期間が男性で9.13年、女性だと12.67年もあるということです。


健康寿命が世界的に見ても長いのは確かですが、寿命がもっと長いので、不健康な期間も世界トップというわけです。


介護が必要な期間が10年前後もあるというのは、いろいろと心配になりますよね。

 


そこで、

 

 

日常生活に制限なく暮らすためには、歩けるということが大事になってきます。

 


歩ける体を維持するには、歩かなくてはいけません。

 


それなのに、平成9年と平成21年の比較では、15歳以上の1日の平均歩数が、男性で8,202歩から7,243歩、女性で7,248歩から6,431歩と、それぞれ1,000歩も減少したそうです。


歩く量が減ると、足は弱ります。


でも、健康維持のためにはやはり歩いたほうが良いのです。

 

 

またまた厚生労働省の資料ですが、健康づくりのための運動指針2006では、生活習慣病予防のために1日8,000から10,000歩歩くことを推奨しています。

 


ちなみに、生活習慣病健康寿命を縮める大きな要因です。

 


生活習慣病の予防にも歩くことが有効で、健康的な体の維持にも歩くことが有効です。

歩く事ってめちゃくちゃ大事なんですよね。

 

 

でも、足は弱っています。

歩く量はどんどん減っていて、歩く量が減ると足が弱るからです。

 


今現在、あまり歩いていなくて、弱ってしまった足で、健康のためにと歩き始めたとしても、筋力が落ちて弱った足には、歩くことが健康のためどころか、負担になってしまいかねません。

 


ウォーキングを始めたけれど、足が痛くなって、このままだと自分の足ではもう長く歩くことは出来ないんじゃないかと心配になる人って結構多いんです。

 


そういう場合も、靴を適切に選んだり、調整したり、必要ならインソールを作ったりして、環境を整えて、足の負担を軽くしながらウォーキングをして、ウォーキングをするうちに足の筋力も戻り、足の不安が無く歩けるようになるということは可能です。

 


日常で歩くことがどんどん減っていく中で、足元の環境をきちんとしてあげることはとても大切になってきます。

 


自分で適当に靴を選んで、合っていると思い込んでいるかもしれませんが、足にとって適切なサポートが出来ているとは限りません。

 


歩くためのウォーキングシューズを用意するならまだいいですが、ちょっとおしゃれな靴で、買い物などをしながらとか、街をぶらぶらしながら歩くよ、という場合には、足に適した靴を履いていないかもしれません。

 


そうすると足が痛くなってしまい、長続きしなくなります。

 


ネットでポチっとだけではなく、是非専門店に足を運んで、色々な靴を試しながら、相談して靴を買うことをお勧めします。

 

 

 

それから、このことは高齢者にも当てはまります。

靴選びをきちんとすることで、足元が定まって歩けるようになるのは、現役世代にかぎったことではありません。

 


うちの常連のお客様の話ですけれど、足が弱って外出を全くしなくなってしまったご自分のお母さまをうちの店に連れていらしてたんですね。

 


お母さまの条件に合う靴を適切に選んだ結果、歩けないと思っていたけれど、靴が合うようになっただけで意外と歩けるようになっったんです。

 

足に力が入れられるようになったんです。

 


その後は、付き添いが付いた状態ではありますけれど、バスに乗って買い物に行くまでになった例もあります。

 


適切な靴を選べていれば、まだまだ歩けるのに、靴選びが適当なせいで、自分はもう歩けないと決めつけ、外出を控えるというケースも出てきています。

 


健康のために歩こうと考えたり、健康寿命を延ばそうと思ったり、外出しなくなった身内の方にもうちょっと元気になってもらいたいなどとお考えになったら、是非靴のことをじっくりと相談できる店を作りましょう。

 

失敗もあるかもしれませんが、それでも再度相談することで、その失敗を無駄にすることなく、徐々に正解に近づいていけるはずです。


健康のための靴選びは、是非靴の専門店で行ってください。
それが、結果として、健康寿命を延ばすお手伝いになるはずです。
というお話でした。

 

参考資料
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_02.pdf