在宅勤務にエコノミークラス症候群の危険性。リスク回避のために立ちましょう。
新型コロナウィルスによる在宅勤務が増えているなか、ヤフーニュースにこんな記事が紹介されていました。
『感染者だけでなく在宅勤務者にもリスク “在宅エコノミー症候群”に注意』
というAbemaTimesの記事と
『コロナで自宅療養・在宅勤務 エコノミー症候群に注意』
という朝日新聞デジタルの記事です。
どちらも2部構成で
1つは新型コロナウィルス感染者は、体内に血栓のできる可能性が高まる上、ホテルでは脱水状態になりやすいことから、血栓のリスクが更に高まるので、新型コロナウィルスに感染していて自宅やホテルで療養する人は注意しましょうというもの。
もう1つは感染していないヒトでも、在宅勤務によって血栓のリスクが高まるというもので、2時間座りっぱなしでいるだけで血栓が出来やすい状態になると言います。
記事ではその2点について話していますが、ここでは在宅勤務の血栓リスクについて、普段私がお客さんにおススメしている方法を紹介しましょう。
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それはとってもシンプルで、タイトルにも書いてありますが、立つことです。
最近はスタンディングデスクも注目されていますが、別に必要ありません。
というのも、6から8時間の間に、1時間まとめて立つ時間を2回取りましょうというのが、私の提案です。
1時間を過ぎても立っていられるなら、そのまま続けて構いませんが、疲れて変な姿勢になるくらいなら、座ってしまいましょうというものなので、スタンディングデスクだと困るんです。
スタンディングデスク用の高さのある椅子もありますが、バーチェアのように、座って足は足かけに引っ掛けるだけのイスはあまりよくありません。
地面に足のうらが付いている状態よりも、足がむくみやすくなるからです。
それはつまり、血栓リスクも高まるということ。
だから、疲れたら座れて、座っても作業ができる状態が良いんです。
机の上に段ボールなどの箱を置いて作業できるなら、まずはそこから始めるのがおススメです。
机やテーブルは家には置いて無くて、床に座る低い机しかないというお宅でしたら、押入れを利用しましょう。
押入れに上の段と下の段があるなら、上の段がだいたいテーブルと同じ高さですから、その上に箱を置けばいいです。
なるべく簡単に、すぐにでも始められる方が良いですからね。
立ち方にも注意があります。
それは、両足で立つということです。
片足に体重を乗せて、骨盤をねじったり傾けたりしながら立つのは姿勢に悪影響がありますから止めましょう。
両足で立っているなら、足踏みをしたり、背伸びをしたり、足を動かすのは全然かまいません。
むしろ積極的に足を動かしましょう。
AbemaTIMESの記事にも『座ったままでも、つま先を立てる形とか足の指でグーを握ると、ふくらはぎの筋肉が動くのでお勧めする』とありますし、朝日新聞DIGITALの記事にも『すわっている時も足首を曲げ伸ばしして上下に動かす』と書いてあって、足を動かすことを推奨しています。
立っていると、足も腰も背中も、結構疲れます。
そうすると、足を動かしたり、ストレッチをして上半身を動かしたり肩を回したりしたくなります。
それが血栓の予防につながります。
ただ立っているだけでも、体はバランスを取るために揺らいでいるので、その揺らぎに合わせて体は無意識にバランスを取っています。
その動きでも、ふくらはぎや足の筋肉はわずかながら運動しますので、それも血栓の予防に役立ちます。
これから在宅勤務が増えそうな様子です。
早めに自宅での健康的な仕事のスタイルを作るためにも、ぜひ一度、机の上に箱を乗せて、スタンディングワークを試してみて下さい!!
『在宅勤務にエコノミークラス症候群の危険性。リスク回避のために立ちましょう。』というお話、以上でございます。
健康寿命を延ばす足の健康に大切な靴選びについて
『健康寿命』という言葉をご存じですか?
新しい寿命の指標で、日常生活に制限なく暮らせる期間のことを言います。
日常的に介護の必要なく自立して生活が出来ている年数の事です。
日本は平均寿命は世界でも長寿国で知られていますし、健康寿命も実は2016年には世界1になるほど長いです。
しかしこれ、喜んでばかりもいられません。
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平成22年の厚生労働省の資料によると
男性の平均寿命が79.55才 健康寿命が70.42才と差が9.13年もあります。
女性は平均寿命が86.30才で健康寿命が73.62才と差がなんと12.68年もあるんです。
とんでもないことだと思いませんか?
健康寿命というのは「日常的に介護の必要が無く、自立して生活できている年数」のことですから、その期間と平均寿命の差がこれだけ長いということは、自立して生活できない期間が男性で9.13年、女性だと12.67年もあるということです。
健康寿命が世界的に見ても長いのは確かですが、寿命がもっと長いので、不健康な期間も世界トップというわけです。
介護が必要な期間が10年前後もあるというのは、いろいろと心配になりますよね。
そこで、
日常生活に制限なく暮らすためには、歩けるということが大事になってきます。
歩ける体を維持するには、歩かなくてはいけません。
それなのに、平成9年と平成21年の比較では、15歳以上の1日の平均歩数が、男性で8,202歩から7,243歩、女性で7,248歩から6,431歩と、それぞれ1,000歩も減少したそうです。
歩く量が減ると、足は弱ります。
でも、健康維持のためにはやはり歩いたほうが良いのです。
またまた厚生労働省の資料ですが、健康づくりのための運動指針2006では、生活習慣病予防のために1日8,000から10,000歩歩くことを推奨しています。
生活習慣病の予防にも歩くことが有効で、健康的な体の維持にも歩くことが有効です。
歩く事ってめちゃくちゃ大事なんですよね。
でも、足は弱っています。
歩く量はどんどん減っていて、歩く量が減ると足が弱るからです。
今現在、あまり歩いていなくて、弱ってしまった足で、健康のためにと歩き始めたとしても、筋力が落ちて弱った足には、歩くことが健康のためどころか、負担になってしまいかねません。
ウォーキングを始めたけれど、足が痛くなって、このままだと自分の足ではもう長く歩くことは出来ないんじゃないかと心配になる人って結構多いんです。
そういう場合も、靴を適切に選んだり、調整したり、必要ならインソールを作ったりして、環境を整えて、足の負担を軽くしながらウォーキングをして、ウォーキングをするうちに足の筋力も戻り、足の不安が無く歩けるようになるということは可能です。
日常で歩くことがどんどん減っていく中で、足元の環境をきちんとしてあげることはとても大切になってきます。
自分で適当に靴を選んで、合っていると思い込んでいるかもしれませんが、足にとって適切なサポートが出来ているとは限りません。
歩くためのウォーキングシューズを用意するならまだいいですが、ちょっとおしゃれな靴で、買い物などをしながらとか、街をぶらぶらしながら歩くよ、という場合には、足に適した靴を履いていないかもしれません。
そうすると足が痛くなってしまい、長続きしなくなります。
ネットでポチっとだけではなく、是非専門店に足を運んで、色々な靴を試しながら、相談して靴を買うことをお勧めします。
それから、このことは高齢者にも当てはまります。
靴選びをきちんとすることで、足元が定まって歩けるようになるのは、現役世代にかぎったことではありません。
うちの常連のお客様の話ですけれど、足が弱って外出を全くしなくなってしまったご自分のお母さまをうちの店に連れていらしてたんですね。
お母さまの条件に合う靴を適切に選んだ結果、歩けないと思っていたけれど、靴が合うようになっただけで意外と歩けるようになっったんです。
足に力が入れられるようになったんです。
その後は、付き添いが付いた状態ではありますけれど、バスに乗って買い物に行くまでになった例もあります。
適切な靴を選べていれば、まだまだ歩けるのに、靴選びが適当なせいで、自分はもう歩けないと決めつけ、外出を控えるというケースも出てきています。
健康のために歩こうと考えたり、健康寿命を延ばそうと思ったり、外出しなくなった身内の方にもうちょっと元気になってもらいたいなどとお考えになったら、是非靴のことをじっくりと相談できる店を作りましょう。
失敗もあるかもしれませんが、それでも再度相談することで、その失敗を無駄にすることなく、徐々に正解に近づいていけるはずです。
健康のための靴選びは、是非靴の専門店で行ってください。
それが、結果として、健康寿命を延ばすお手伝いになるはずです。
というお話でした。
参考資料
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_02.pdf
膝の痛みを治したいなら靴でやらなくてはいけないこと。
膝の痛みがある人は、靴に安定感がなくてはいけません。
やはり、膝に痛みがある人では、靴によって不安定さを感じてしまうことがあります。
膝を治療しているけれど、治療の効果が長続きしないという場合にも、靴に目を向けてみると良いですよ。
膝を治療しているんだけど、どういう靴が良いですか?という相談もよく受けます。
そこで『どういう靴が安定しているのか』『靴の安定をどうやって保つのか』そして『意外と不安定になりやすい靴』の3つについてお話していきたいと思います。
最初は、どういう靴が安定しているのかについてです。
引き続きご覧ください。
膝の痛みを治したい人に大切な安定した靴の見つけ方
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まず、新品の状態でどういう靴が安定しているのかをお話します。
安定感のある靴の条件としては
- ヒール部分の幅が広い
- 靴底の幅が広い
- 靴底、ヒールの素材がしっかりしている
といった靴底の要素と
アッパー側では
- かかとの芯がしっかりとしている
- サイズが合っている
- 足のかかとの大きさと、靴の大きさが合っている
といった要素があります。
靴底の要素について、それぞれ説明していきましょう。
ヒールの幅について
ヒールの幅からお話しますと、最近は、#KuToo活動の広がりで、ヒールのパンプスを避け、ヒールを低くする動きが広まっています。
ヒールが低くなるとヒールの太い靴が増えますから、同じパンプスでも安定感の高い靴を選ぶ事ができますね。
パンプスの話から始めたので誤解してしまうかもしれませんが、ここで言うヒールの幅というのは、ハイヒールという意味ではありません。
スニーカーや革靴も含めた、全ての靴のヒールという意味です。
ヒールの幅の目安としては、靴のアッパーの一番下、靴底との接着されている部分の幅よりも、ヒールが地面と接している面の幅が狭くなっていないことです。
もっと良いのは、アッパーのかかと部分の一番太い所よりも、ヒールの接地している面の幅が広いことですが、これはスニーカー以外の靴では、男性物の革靴の一部を除いて探すことは難しいでしょう。
靴底の幅について
靴底の幅が広いことも大切ですが、この点ではヒールと違い、下へ行くほど幅が狭くなっているという靴はほとんどありませんから、それほど心配いりません。
一時流行った、リーボックのイージートーンとか、そういう種類のものは避けるべきです。
また、厚底の靴の中には、時々ですが、下の幅が狭くなっている物がありますから、注意してください。
靴底やヒールの素材について
素材はとても大事な要素です。
ヒールの幅などが条件を満たしていても、素材が柔らかいと、安定感は得られません。
適度に硬く、体重が内側や外側に偏ってもヘタらないものが良いです。
硬い素材は重たくなりがちです。
重いことが悪いわけではありませんが、履いていてつらいとか、重くて歩きづらいとなっては意味がありませんので、素材の硬さと重さのバランスを見つけないといけませんね。
インジェクションという製法で作られた靴は、かなり弾力性の高いウレタンであることが多いのでおススメです。
見分け方は、つま先と踵に縦の筋が入っていることです。
ただし、インジェクションの場合も、重たくなりがちですから、履いて確認してみて下さい。
それから、エアーの入った靴は、ちゃんとしたものなら安定感があり、かつ軽いというメリットがありますが、時々、このエアーがふにゃふにゃのものがあります。押して確認してみて下さい。
以上が、膝が痛い人のための安定感のある靴の見分け方です。
続いては、
『靴の安定をどうやって保つのか』についてお話します。
膝の痛みを治したい人に大切な靴の安定感の保ち方
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膝の痛みがある人は、靴を限界まで履いてはいけません。
限界というのは、もう踵が斜めになりきって、それでも修理せずに履き続けている状態です。
膝のためには、限界までどころか、かかとの部分が内側と外側で3ミリ以上厚みが変わらないようにしましょう。
内側と外側の厚みが3ミリ違ってしまう前に、かかとを修理したほうが良いです。
本当は、かかとの厚みが内側と外側で変わってしまったら、平らになるように削れると良いのですが、そういうサービスを行っている所はありません。
そうなると、修理するか、買い替えるかするしか方法がありません。
さらっと過ぎてしまいましたが、なぜ内側と外側の違いが3ミリ以上違ってはいけないのかというところがとても大切で、3ミリ以上違いが出てくると、靴は大きく安定感を失い始めます。
だから、3ミリ以上にならないようにするべき理由をお話しましょう。
膝が悪く、安定感が欲しい場合、多くの人が、靴の内側が偏って減ったり、外側が偏って減ってしまいやすくなります。
それは、そういう立ち方になるからなのですが、その原因は、偏平足だったり、O脚気味だったりなどさまざまです。
この説明をするのに、O脚気味の人を例にすると分かりやすいと思いますので、なぜ3ミリ以上減ってはいけないのかをO脚気味の人の場合でしていきましょう。
O脚気味の人は、信号待ちや、長く立っていると足首を内側に捻りたくなる人が多くいます。
足のうらを内側に向けるような捻挫をしたような状態です。
それは「足を内返しにする」という動きで、O脚だと、足首が内返しという状態になりやすく、足を内返しにすることがクセになっている人が多くいるんです。
靴を履いていると、内返しをしたいけれど、内返しにすることが出来ません。
出来ませんが、靴の中で内返しにしようとはしているので、靴の外側に強く圧をかけたような状態になっています。
そのため、靴底の外側がへっていきやすいのです。
靴底の外側が減ると、靴が外側に傾きます。
すると、その靴を履いただけで、足がやや内返しになりますよね。
平らな靴でも足を内返しにしたいのですから、内返しをしやすい靴を履くとますます内返しの状態が進みます。
履いただけで内返しになる靴を履くと、足は内返しになったままになり、靴の外側はますます減り、内側は全く減らなくなります。
それ以降、どれだけ沢山その靴を履いても、靴のかかとの内側が減ることはありません。
すると、靴は安定感を失います。
だから、そうなる前に靴を平らに直す必要があるというわけです。
そうなってしまった靴を、まだ履けると思ってしまい、修理や買い替えをしない理由として、かかとの内側が減らないということがあります。
靴底を見ても、かかとが残っているように見えるのです。
だから、修理するのをもったいないと感じてしまうし、買い替える気にならないという問題があります。
でも実際には、足にも体にも悪い影響が多くある状態です。
今までの話は、O脚で外側が減るという無いようでしたが、偏平足やX脚で内側が減るという場合も同じことが言えます。
靴底の減りすぎは要注意です。
底が擦り減ってしまって、斜めになっている靴を履いても、斜めになっていることを感じないのだとしたら、それは感覚が狂っている可能性があります。
斜めの靴を履いたら、足が斜めになっていると感じられる体でいなくてはいけません。
体の感覚は狂います。
斜めの靴ばかり履いていたら、それが体にとっては正常なこにとなってしまいます。
ちょっと早いと思うかもしれませんが、しばらくの間、靴の踵を早め早めに修理をして、靴底の平らを保って下さい。
その状態を3か月から半年保つようにすると、体が平らな靴底に慣れ、斜めになった靴を履くと体がおかしいと思うようになります。
膝の痛みを治したいと思っているのなら、この靴の安定性はとても大切で、その安定性を保つには早め早めの修理や買い替えが必要です。
その結果として正しい感覚を体が覚え、斜めになった靴を履くと異常だと感じられるようになれば、靴を安定した状態に保とうとするようになります。
以上「膝の痛みを治したい人に大切な靴の安定感の保ち方」についてお話しました。
続いては
『意外と不安定になりやすい靴』についてお話します。
膝の痛みを治したいなら注意するべき意外と不安定になりやすい靴
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靴が平らであることが足を安定させるのに必要だとお話しました。
その安定性を保つための方法もお話しました。
今回は、先に話した2つのポイントを注意していただいても、見落としてしまいそうなことについてお話したいと思います。
それは、まだ靴底が減っていないと勘違いさせてしまう靴があるので、注意していただきたい靴として紹介したいと思います。
多くの人が、靴底が減ったかどうか、靴の裏側を見ると思います。
それは当然のことで、靴底のゴムやスポンジの模様を内側と外側で見比べたりしながら、かかとが減ったかどうかをチェックしますよね。
でも、すり減るよりも先に潰れてくる靴底というのがあります。
膝の痛みを治すためには靴の安定が必要で、靴底自体のしっかりとした靴が良いと話しました。
靴の安定を保つために、靴底が減ってきていないかチェックしてくださいと話しました。
靴底全体がしっかりとした素材の場合、最初にゴムから擦り減っていくのは当然なのですが、靴底のゴム以外の素材、多くはスポンジですが、それが潰れると、靴底はしばらくの間、擦り減りません。
これは、靴底が柔らかければそうなってしまうという話ではありません。
柔らかくても、復元力の高いスポンジだったら、こうはならないんです。
潰れたら元に戻りにくい素材、つまりヘタりやすい素材の場合にこういうことが起こります。
今回は、お客さんが置いて行ってくれた靴を紹介します。
スポンジ部分がヘタってしまっていて、靴底の内側と外側の厚みが変わっているけれど、ゴムだけ見たらそんなに減っていないように見えますよね。
この靴は、靴底が減っていないのに、内側と外側に厚みの違いが出てきてしまうので、履くと足が斜めになって不安定になるので、膝の痛みを治すのにはマイナスです。
膝の痛みを治したいとお考えの方は、ご自分の靴をチェックして、もしもこうなっていたら、履くのを控えたほうが良いでしょう。
このタイプでは、もう一つ注意点があります。
それは、斜めになってしまったけれど、アッパーはまだ傷んでいないし、修理に出そうかな?とお考えになった場合です。
これは、修理屋さんの考え方ややり方によるのですが、このような、靴底が斜めになってしまっている靴を修理に出すと、土台の潰れたスポンジから手を加えて平らになるように直す人と、土台は斜めのまま、減ったゴムだけを交換する人がいます。
つまり、せっかく修理をしても、斜めのままの靴が返ってきてしまうということです。
修理をしないほうが良いということはありませんが、修理にもっていった先で、平らにしたいということをしっかりと伝えて、そういう修理に対応しているかどうかを聞いてから依頼するようにしましょう。
以上『膝の痛みを治したいなら注意するべき意外と不安定になりやすい靴』についてお話しました。
膝の痛みを治すうえで、靴への注意は欠かせません。
治療家の方なら、患者さんの靴を必ずチェックして、アドバイスを行って欲しいと思います。
ご自身が膝に痛みをお持ちなら、3足くらいの靴を交互に履いて、靴をいつでも修理に出したりできる状態を作っておいてください。
膝の痛みが早くよくなるといいですね。
偏平足の靴はオーダーメイドした方が良いの?質問の意外な意図。
けっこう問い合わせや質問で多いんですね
「私は偏平足なんですけど、靴をオーダーしなきゃいけませんか?」
とか
「オーダーしたほうが良いでしょうか?」
というような問合せですね。
結論から言いますと、別にオーダーをする必要はないと思います。
状況によってはやはり、必要だという人もいるんですが、それは偏平足+「何か」というものがあって、そちらがトラブルとして普通の靴じゃ問題あるよねとなった場合には、必要ですねということもあるでしょう。
ただ、この質問、私が思っていたのとは違う意図でされていることの方が多かったのです。
私は最初の頃、この質問はてっきり偏平足という変形に対する足の健康不安から来る質問だと思っていました。
ところがそうではなかったんです。
それでは、偏平足を健康面から考えたオーダー靴の必要性と、もう一つの隠された質問意図についてお話したいと思います。
動画ではこちらからご覧ください。
私もオーダーメイドの靴を作っていますが、これまでに「偏平足だから」という理由で作った人は多くありません。
偏平足についてはやはりインソールを作ることの方が重要で、そのインソールの効果を発揮させるために靴が必要になります。
だから、偏平足の方にオーダーで靴を作ったとしても、偏平足自体の改善のアプローチはインソールで行います。
そして、靴は、インソールが効果を発揮できるように作るものの、オーダーしなくては駄目というほどの事ではありません。
偏平足の足をしっかりと支えらる強度を持った靴であれば、言うことは無いでしょう。
それから、偏平足のせいですり減りやすい靴底の内側を早めに修理したり、アッパーがヘタって変形してきたら、早めに買い替えるなどの対策が必要です。
しかしそれは、オーダーで作った靴であっても同じことで、同じようにメンテナンスをしたりしなくてはいけません。
つまり、単に偏平足というだけで、痛みも他の何らかのトラブルもないのなら、靴をオーダーする必要はありません。
次に、私が最初は気づいていなかったというか、質問者の意図を組めていなかった、もう一つの偏平足の人がオーダーしたほうが良いかと聞く理由についてお話します。
これは、オーダー靴へのちょっとした誤解もあると思います。
ほとんど女性に限ったことと言い切っていいと思うのですが、普段は幅の広い靴しか履いていないけれど、オーダーをすれば「細身の靴が」「痛くなく」履けるという誤解です。
靴のサイズで「E」とか「EEE」(スリーイー)とかいう表現を聞いたことがありませんか?
これは「靴のサイズ」というのが縦の長さを表しているのに対し、足の横幅や厚みをサイズとしてあらわしたものに「ワイズ」というものがあります。
足の指の付け根の部分の、一周の寸法を表すサイズ表記で、1番細い「A」から「B」「C」「D」「E」「EE」「EEE」「EEEE」「EEEE」「F」(メーカーによってはEEEEE)「G」まであります。
細かいことを言うと、JIS規格では、ワイズが1つ大きくなるごとに6.5mm足の指の付け根の寸法が大きくなります。
縦のサイズが0.5cm大きくなった場合もこの寸法は当然大きくなりますが、この指の付け根の寸法は3~5mmと、紳士婦人とか、メーカーの企画の内容によって違います。
話がずれましたが、「5E」の靴というと、見た目もかなり幅が広い靴で、「E」というと、やや細身の靴といった印象になります。
誤解というのは、足の寸法が「5E」あるけれど、オーダーで作れば「E」ぐらいの見た目の靴が履けるようになるという誤解です。
オーダーの靴を履いたとたん、足が細くなることはありませんから、オーダーをしても靴の見た目が細い靴ができあがってくることはありません。
むしろオーダーの場合、足にストレスを掛けないように、足を締め付けないように作る職人のところだったとしたら普段よりも太く見える靴になる可能性も大きいです。
私もしめつけは嫌いな方なので、いつもの靴よりもやや太い靴になる可能性が高いです。
逆に、細すぎる足で偏平足の場合は、オーダーを勧めることがあるでしょう。
細身の靴の方が最近は見つけるのが難しい状況です。
靴の中で足が泳いでしまっていて、しかも偏平足になるほど足が柔らかいとなると、姿勢への影響も心配です。
とはいえこれも、偏平足だからではなく、偏平足+「細すぎる足」だからというわけですね。
つまり、偏平足だからといって、オーダーは必要ないですよというお話でした。
隠れ偏平足って知ってますか?スキーブーツや登山靴で足のうらが痛いなら隠れ偏平足を疑おう。
一見偏平足ではないけれど、実は偏平足だったという人がいます。
足跡を見ても、土踏まずのところにしっかりと隙間が出来ているので、自分が偏平足だとは思いもしません。
この隠れ偏平足、何が問題かというと、足のうらが痛くなることが多いんです。
しかも、足のうらが痛くなると、多くの人がインソールなどで土踏まずを持ち上げようとしますが、土踏まずを持ち上げられるとさらに痛くなる可能性が高いので厄介です。
そもそも足のうらが痛くなる原因が、土踏まずを支える構造になっている靴を履いたことがきっかけだったりします。
今日はこの、隠れ偏平足についてお話しようと思います。
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さて、この隠れ偏平足が一体何なのかというと、偏平足気味のアーチが低い足をしているけれど、足の外側で立っているので、土踏まずがあるように見えているのです。
想像できましたか?
手のひらを机の上に置いてみて下さい。
親指は無いものとして、人差し指から小指までを偏平足の足だとします。
その手のひらを、小指側は机につけたまま小指側に手を傾けて、人差し指側を少しだけ持ち上げてみて下さい。
手を偏平足の足だとすると、人差し指側が土踏まずで、小指側に手を傾けると、手のひら部分に隙間ができますよね?
これが、隠れ偏平足の正体です。
だから何?って感じでしょうか。
もう少しお付き合いください。
次に、この隠れ偏平足が、足のうらに痛みが出やすい理由をお話しましょう。
普通の偏平足の人は、足の内側に常に体重が乗っていますので、土踏まずに常に負荷がかかっています。
常に負荷がかかっている土踏まずは、いつも鍛えられているからとても強いんです。
ところが、この隠れ偏平足は、立っているときも、普通に歩いているときも、足の外側に体重がかかっていることが多いので、土踏まずにはあまり負荷がかかりません。
そのため、土踏まずは弱くなっていて、痛みが出てしまいやすいのです。
「でも外側で立っているなら土踏まずに負担がかからないのでは?」と思いませんか?
それがそうでもないんです。
確かに、この隠れ偏平足の場合、普通に歩いている場合には、足の外側から足の中央位を体重が抜けていく感じになりますので、土踏まずには負担が掛かりません。
ところが、早足で歩いたり、大股で歩いたりと、急ぎ気味に歩こうとすると、足の親指に体重が乗るようになり、土踏まずに負担がかかります。
それから登山靴やスキー靴を履くことも苦手です。
このような、足首までをしっかりと固定されるブーツでは、強制的に足の内側も設置させられてしまいます。
体重を外側にかけたくてもかけられないので、結果的に痛みが出てしまうのです。
こういう話をすると「スキー靴を履いた時だけ足のうらが痛くなる」とか「登山靴を履いた時だけ足のうらが痛くなる」という人が必ずいます。
そういう人の足を見ると、この隠れ偏平足であることが多いです。
この隠れ偏平足は、立ち方のクセから来ます。
もう骨格的にそのクセがしみついてしまっていて、自力で治すのは難しいです。
改善の仕方として最もいいのはインソールです。
理由は、このクセを改善するには、時間をかけて足のクセをなくしていく必要があるということ。
このクセを無くすということは、土踏まずに体重が乗るということだから、土踏まずに体重が乗っても痛みが出ないようにしなくてはいけない。
この2つのことを同時に行うには、インソールが最善の手段です。
そこで注意したいのは、最初に言ったのですが、土踏まずを支えるインソールを使うと痛みが出てしまうということです。
土踏まずに体重が乗っても痛くないようにしながら、でも土踏まずは支えてはいけません。
なぞなぞみたいですね。
だから、そこらへんでインソールをオーダーしても、解決しない可能性が高いです。
隠れ偏平足のインソールの相談は、私のところにいらしてください。
情報をケチるわけでは無いんです。
専門家向けのセミナーではお話しますが、説明が大変だし、説明しても、ご理解いただけないと思いますし、理解できてもそれを実行できないと思いますので、割愛いたします。
でも、もし、スキーブーツや登山靴で足のうらが痛くなるなら、あなたは隠れ偏平足かもしれませんよ。
以上、隠れ偏平足についてお話しました。
猫背を改善して足裏のタコを治す!ストレッチとマッサージ
猫背と足裏のタコ、関係なんて無いように思えますよね?
でもとっても関係あるんです。
とはいえ、全ての足裏のタコに関係があるとは言えません。
ここで関係があるのは、指の付け根のタコがある人で、そのタコが痛い人です。
指の付け根にタコがあっても、痛くない人の場合、それは原因が別にあると考えた方がよいので、今回のケースには当てはまりません。
猫背と足裏のタコの関係をお話して、猫背の改善に重要なストレッチをお教えします。
動画でもご覧いただけます。
足の指の付け根ににタコができて痛い人は、足の指の付け根にたくさん体重がかかっています。
指の付け根に掛かる体重を減らす事ができると、指の付け根への負担が減って、痛みの軽減、症状の軽減につながります。
指の付け根に、たくさん体重がかかる原因のひとつが猫背です。
何故猫背だと体重が前にかかってしまうのかというと、
猫背になると、頭が前に出ます。
猫背になると、両腕が前に出ます。
頭の重さは、体重の8%程度と言われています。
腕の重さは、肩の腕の付け根から指先までで、体重の16%程度といわれています。
頭と腕を合わせると24%ということになります。
猫背の場合、全体重の1/4もの重さが体の前にあるということです。
体重50キロの人なら、12キロです。
体重70キロの私だと、16.8キロにもなります。
それだけの重さが体の前側にあるわけですから、足の指の付け根へのストレスがそれだけ大きくなってしまうというわけです。
だから、この猫背が解消されれば、タコの痛みも軽くなるという期待が出来ますね。
では、この猫背の改善のためのストレッチをお話しましょう。
今回お話するのは、胸の筋肉のストレッチです。
猫背の解消には、この胸の筋肉を緩めることが欠かせません。
何しろ、腕はずーーーっと前についていて、肩は前にすぼませるようにしていますから、胸の筋肉は縮んだ状態になっています。
ずーーっと縮んだままでいた筋肉は、その状態があたりまえになってしまって、短くなってしまっています。
伸ばそうとしても伸びません。
これのせいで、背筋を伸ばそうと、いくら背中を真っすぐにしようとしても、肩を開いて胸を張ろうとしても、腕が前にでたままになってしまって、きちんとできません。
そこで、このストレッチとマッサージで胸の筋肉を伸ばし、ゆるめてあげて、肩を開くことが、猫背の改善には必要です。
この筋肉がゆるんで肩が開くだけで、からだが後ろになって、足にかかる体重も、指の付け根からかかとに移動させることができます。
ではやってみましょう。
壁があると良いのですが、無いのでガラスケースを用意しました。
かえって反対側が見えて良い感じです。
手のひらを上に向けて、腕を横に水平にのばします。
肘を90度曲げて、手のひらを正面に向けます。
その状態で、壁などに肘から手のひらまでをあてて、体を反対に軽く捻ります。
そうすると、胸の前側がストレッチされますね、触るとぴんと張っているのが分かります。
その状態の旨の筋肉を、マッサージします。
その時、少し痛いと感じるかもしれません。
マッサージの仕方を説明します。
胸の筋肉が方から扇状に広がってついていて、筋肉の繊維も扇の芯棒の方向に走っています。
その繊維を直角に切るようにマッサージしてください。
又は、脇に手を軽く当てて、胸の筋肉を挟んで揉むようにしても良いでしょう。
片側を1分から2分、両側を、1日2回ほどやると、1か月で劇的に変わります。
もっとやっても構いません。
トイレに入るたびに壁を使うとかして、こまめにやる時は、のばすだけでもいいし、時間を短く15秒程度でもいいので、しょっちゅうやって、習慣にしてしまいましょう。
歩き方まで変わってきますよ。
胸が開くと、背筋を伸ばしやすくなりますし、何より腕が後ろに下がるので、体重が前のめりから改善できます。
タコの改善が始まるのはその後からですが、負担が軽くなることはお分かりいただけたのではないでしょうか。
足裏のタコも厄介な病気と言えます。
これだけで解決とはいかないかもしれませんが、これまで何らかの取り組みをしてきたけれど、もっと改善させたいとお考えなら、ヒントになったら嬉しいです。
偏平足と相性の悪い靴【治療家向けシリーズ】教科書には絶対載ってない足裏の痛みを生み出す組み合わせ
【治療家向けシリーズ】は、治療家の方が知っておくと患者さんのためになる靴の知識について話していますので、表現が少し難しくなっている可能性があります。
それでもよろしければ、治療家以外の方も、ぜひご覧ください。
偏平足の人の足のうらに強い痛みを起こしてしまう靴があります。
決して珍しいタイプの靴ではないので、具体的な商品名を紹介してもきりがありません。
靴の特徴を説明しますので、足のうらの痛みで相談に来た患者さんには、靴のチェックを是非行ってください。
このことを知らずにいると、完全に足のトラブルだと勘違いしてしまいます。
偏平足のせいで足のうらに痛みが出ているという間違った判断をしてしまいかねません。
興味をお持ちいただけたら、このままご覧ください。
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こちらの画像をごらんください。
これは、靴の断面図です。
靴底の素材が、靴の側面にせりあがっています。
偏平足だと、この靴底のせり上がりの上に土踏まずがのっかる形となり、足のうらがこのエッジに当たって痛みが出ます。
「いやいや、そんなの気づくでしょ!」
と思うかもしれませんが、こうして断面図でお見せしたから出っ張っていると分かりますが、外側から見たら靴底の一部だし、靴の中を見てもそこには何もありません。
ほとんどの人が靴を疑わないで相談に来ますが、もし仮に靴を疑って、中まで見たとしても、外側の靴底が足裏を刺激したとは気づかないです。
まぁ、気づいた人は私のところに相談に来ないでしょうから、私のところに来た人はみんな気づいていない人という事になるだけという可能性もあります・・・
いずれにしても、このエッジが問題ということに変わりありません。
では、メーカーは何故このエッジをつけたがるのでしょうか。
それは、このエッジが靴を立体的に保つことに役立っているからです。
柔らかい革のアッパーでも、もっと柔らかいニット素材のアッパーでも、このエッジのおかげで型崩れしないで靴の形を保てている靴は多いです。
中には、このエッジが形を保ってくれるので、構造も製造工程もかなり省略することができている靴もあります。
メーカーにメリットが多いんですね。
もちろんそういう靴は、出来上がりが軽くなり、工程が少ない分価格も下がるので、ユーザーにもメリットはあります。
そんなわけで、このせり上がりは、その靴にとって必要な構造というわけです。
だから、今後も無くなることはありません。
それに、この構造の靴でも偏平足の足のうらにいたみを出さない靴もあります。
そもそも、痛くなる理由は、靴底のエッジが、足のうらよりも飛び出ているからです。
この立ち上がっているエッジの分、厚みのあるインソールが入っていたらどうでしょう。
足裏に当たるようなエッジは存在しなくなり、痛くなる靴ではなくなります。
このようなインソールが厚い状態で売っている靴もありますので、外側から見て靴底が厚そうだからと言ってかならずしも足に痛みを生じる靴ではありません。
あくまでも内側から触ってみて、エッジのでっぱりがあることを確認しましょう。
このことを利用すると、現在の足のうらの痛みが、靴のせいからかどうかをテストできます。
エッジの高さを埋めるように、100均のものでいいので、インソールを敷いて靴を履いてみましょう。
それで痛くなければ、やはりエッジが足裏に当たっていたんだということになります。
ただし、インソールを入れた分靴が狭くなりますから、きつくて履けなくなるということも考えられます。
その場合はやはり、このタイプの靴をしばらく履かないようにして、靴のせいかどうかを確認するしかないですね。
偏平足にトラブルを起こす靴について、納得していただけましたでしょうか。
偏平足の人にとっては、このことを知らないと、足に痛みを生じさせる靴を買ってしまうことになります。
治療家にとっては、このことを知らないと、靴のせいなのに足底筋膜炎の治療を行い、でも靴を履くたびに痛みが出るので、最悪の場合だと「帰りに靴を履いて歩いていたらもう痛くなる」ということになってしまいます。
患者さんとしては「治療したけど効果が無かった」と思ってしまうでしょう。
頭の片隅に置いておいていただいて、足のうらが痛いという相談が来たら、ちょっと思い出して、靴の確認をしてみて下さい!