足の痛みの専門家による足と靴の悩み対処法

足底筋膜炎治療家として日々の仕事で受けた質問や、行ったアドバイス、対処などを紹介するブログ。足底筋膜炎は多種多様で、想像以上に奥深く、根深い。足底筋膜炎に20年以上悩まされた経験から、少しでも同じ悩みの人の役に立ちたいと思っている。

膝の痛みを治したいなら靴でやらなくてはいけないこと。

膝の痛みを治したいなら靴でやらなくてはいけないこと。

膝の痛みを治したいなら靴でやらなくてはいけないこと。

 
膝の痛みがある人は、靴に安定感がなくてはいけません。


やはり、膝に痛みがある人では、靴によって不安定さを感じてしまうことがあります。


膝を治療しているけれど、治療の効果が長続きしないという場合にも、靴に目を向けてみると良いですよ。


膝を治療しているんだけど、どういう靴が良いですか?という相談もよく受けます。


そこで『どういう靴が安定しているのか』『靴の安定をどうやって保つのか』そして『意外と不安定になりやすい靴』の3つについてお話していきたいと思います。


最初は、どういう靴が安定しているのかについてです。


引き続きご覧ください。

 

 

 

膝の痛みを治したい人に大切な安定した靴の見つけ方

動画でご覧になる方はこちら

 

 

まず、新品の状態でどういう靴が安定しているのかをお話します。


安定感のある靴の条件としては

  • ヒール部分の幅が広い
  • 靴底の幅が広い
  • 靴底、ヒールの素材がしっかりしている


といった靴底の要素と


アッパー側では

  • かかとの芯がしっかりとしている
  • サイズが合っている
  • 足のかかとの大きさと、靴の大きさが合っている


といった要素があります。

靴底の要素について、それぞれ説明していきましょう。

 

 

ヒールの幅について

ヒールの幅からお話しますと、最近は、#KuToo活動の広がりで、ヒールのパンプスを避け、ヒールを低くする動きが広まっています。

 


ヒールが低くなるとヒールの太い靴が増えますから、同じパンプスでも安定感の高い靴を選ぶ事ができますね。

 


パンプスの話から始めたので誤解してしまうかもしれませんが、ここで言うヒールの幅というのは、ハイヒールという意味ではありません。

 


スニーカーや革靴も含めた、全ての靴のヒールという意味です。

 


ヒールの幅の目安としては、靴のアッパーの一番下、靴底との接着されている部分の幅よりも、ヒールが地面と接している面の幅が狭くなっていないことです。

 


もっと良いのは、アッパーのかかと部分の一番太い所よりも、ヒールの接地している面の幅が広いことですが、これはスニーカー以外の靴では、男性物の革靴の一部を除いて探すことは難しいでしょう。

 

 

 


靴底の幅について

靴底の幅が広いことも大切ですが、この点ではヒールと違い、下へ行くほど幅が狭くなっているという靴はほとんどありませんから、それほど心配いりません。

 


一時流行った、リーボックのイージートーンとか、そういう種類のものは避けるべきです。

 


また、厚底の靴の中には、時々ですが、下の幅が狭くなっている物がありますから、注意してください。

 

 

 


靴底やヒールの素材について

素材はとても大事な要素です。


ヒールの幅などが条件を満たしていても、素材が柔らかいと、安定感は得られません。

 


適度に硬く、体重が内側や外側に偏ってもヘタらないものが良いです。

 


硬い素材は重たくなりがちです。

 


重いことが悪いわけではありませんが、履いていてつらいとか、重くて歩きづらいとなっては意味がありませんので、素材の硬さと重さのバランスを見つけないといけませんね。

 


インジェクションという製法で作られた靴は、かなり弾力性の高いウレタンであることが多いのでおススメです。

 


見分け方は、つま先と踵に縦の筋が入っていることです。

 


ただし、インジェクションの場合も、重たくなりがちですから、履いて確認してみて下さい。

 

 

それから、エアーの入った靴は、ちゃんとしたものなら安定感があり、かつ軽いというメリットがありますが、時々、このエアーがふにゃふにゃのものがあります。押して確認してみて下さい。

 

 


以上が、膝が痛い人のための安定感のある靴の見分け方です。

 

 

続いては、
『靴の安定をどうやって保つのか』についてお話します。

 

 

 

 

膝の痛みを治したい人に大切な靴の安定感の保ち方

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膝の痛みがある人は、靴を限界まで履いてはいけません。

 


限界というのは、もう踵が斜めになりきって、それでも修理せずに履き続けている状態です。

 


膝のためには、限界までどころか、かかとの部分が内側と外側で3ミリ以上厚みが変わらないようにしましょう。

 


内側と外側の厚みが3ミリ違ってしまう前に、かかとを修理したほうが良いです。

 


本当は、かかとの厚みが内側と外側で変わってしまったら、平らになるように削れると良いのですが、そういうサービスを行っている所はありません。

 


そうなると、修理するか、買い替えるかするしか方法がありません。

 

 

さらっと過ぎてしまいましたが、なぜ内側と外側の違いが3ミリ以上違ってはいけないのかというところがとても大切で、3ミリ以上違いが出てくると、靴は大きく安定感を失い始めます。

 


だから、3ミリ以上にならないようにするべき理由をお話しましょう。

 


膝が悪く、安定感が欲しい場合、多くの人が、靴の内側が偏って減ったり、外側が偏って減ってしまいやすくなります。

 


それは、そういう立ち方になるからなのですが、その原因は、偏平足だったり、O脚気味だったりなどさまざまです。

 

 

この説明をするのに、O脚気味の人を例にすると分かりやすいと思いますので、なぜ3ミリ以上減ってはいけないのかをO脚気味の人の場合でしていきましょう。

 


O脚気味の人は、信号待ちや、長く立っていると足首を内側に捻りたくなる人が多くいます。

 

 

足のうらを内側に向けるような捻挫をしたような状態です。

 


それは「足を内返しにする」という動きで、O脚だと、足首が内返しという状態になりやすく、足を内返しにすることがクセになっている人が多くいるんです。

 


靴を履いていると、内返しをしたいけれど、内返しにすることが出来ません。

 


出来ませんが、靴の中で内返しにしようとはしているので、靴の外側に強く圧をかけたような状態になっています。

 


そのため、靴底の外側がへっていきやすいのです。

 

 

靴底の外側が減ると、靴が外側に傾きます。

すると、その靴を履いただけで、足がやや内返しになりますよね。

 


平らな靴でも足を内返しにしたいのですから、内返しをしやすい靴を履くとますます内返しの状態が進みます。

 


履いただけで内返しになる靴を履くと、足は内返しになったままになり、靴の外側はますます減り、内側は全く減らなくなります。

 


それ以降、どれだけ沢山その靴を履いても、靴のかかとの内側が減ることはありません。

 


すると、靴は安定感を失います。

 


だから、そうなる前に靴を平らに直す必要があるというわけです。

 


そうなってしまった靴を、まだ履けると思ってしまい、修理や買い替えをしない理由として、かかとの内側が減らないということがあります。

 

 

靴底を見ても、かかとが残っているように見えるのです。

 

 

だから、修理するのをもったいないと感じてしまうし、買い替える気にならないという問題があります。

 

 

でも実際には、足にも体にも悪い影響が多くある状態です。

 


今までの話は、O脚で外側が減るという無いようでしたが、偏平足やX脚で内側が減るという場合も同じことが言えます。

 


靴底の減りすぎは要注意です。

 


底が擦り減ってしまって、斜めになっている靴を履いても、斜めになっていることを感じないのだとしたら、それは感覚が狂っている可能性があります。

 


斜めの靴を履いたら、足が斜めになっていると感じられる体でいなくてはいけません。

 


体の感覚は狂います。

 


斜めの靴ばかり履いていたら、それが体にとっては正常なこにとなってしまいます。

 


ちょっと早いと思うかもしれませんが、しばらくの間、靴の踵を早め早めに修理をして、靴底の平らを保って下さい。

 


その状態を3か月から半年保つようにすると、体が平らな靴底に慣れ、斜めになった靴を履くと体がおかしいと思うようになります。

 


膝の痛みを治したいと思っているのなら、この靴の安定性はとても大切で、その安定性を保つには早め早めの修理や買い替えが必要です。

 


その結果として正しい感覚を体が覚え、斜めになった靴を履くと異常だと感じられるようになれば、靴を安定した状態に保とうとするようになります。

 

 

以上「膝の痛みを治したい人に大切な靴の安定感の保ち方」についてお話しました。

 


続いては
『意外と不安定になりやすい靴』についてお話します。

 

 

 

 

 

膝の痛みを治したいなら注意するべき意外と不安定になりやすい靴

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靴が平らであることが足を安定させるのに必要だとお話しました。

 


その安定性を保つための方法もお話しました。

 


今回は、先に話した2つのポイントを注意していただいても、見落としてしまいそうなことについてお話したいと思います。

 


それは、まだ靴底が減っていないと勘違いさせてしまう靴があるので、注意していただきたい靴として紹介したいと思います。

 

 

多くの人が、靴底が減ったかどうか、靴の裏側を見ると思います。

 


それは当然のことで、靴底のゴムやスポンジの模様を内側と外側で見比べたりしながら、かかとが減ったかどうかをチェックしますよね。

 


でも、すり減るよりも先に潰れてくる靴底というのがあります。

 

 

膝の痛みを治すためには靴の安定が必要で、靴底自体のしっかりとした靴が良いと話しました。

 


靴の安定を保つために、靴底が減ってきていないかチェックしてくださいと話しました。

 


靴底全体がしっかりとした素材の場合、最初にゴムから擦り減っていくのは当然なのですが、靴底のゴム以外の素材、多くはスポンジですが、それが潰れると、靴底はしばらくの間、擦り減りません。

 


これは、靴底が柔らかければそうなってしまうという話ではありません。

 


柔らかくても、復元力の高いスポンジだったら、こうはならないんです。

 


潰れたら元に戻りにくい素材、つまりヘタりやすい素材の場合にこういうことが起こります。

 


今回は、お客さんが置いて行ってくれた靴を紹介します。

 


スポンジ部分がヘタってしまっていて、靴底の内側と外側の厚みが変わっているけれど、ゴムだけ見たらそんなに減っていないように見えますよね。

 

 

この靴は、靴底が減っていないのに、内側と外側に厚みの違いが出てきてしまうので、履くと足が斜めになって不安定になるので、膝の痛みを治すのにはマイナスです。

 

 

膝の痛みを治したいとお考えの方は、ご自分の靴をチェックして、もしもこうなっていたら、履くのを控えたほうが良いでしょう。

 

 

このタイプでは、もう一つ注意点があります。

 

 

それは、斜めになってしまったけれど、アッパーはまだ傷んでいないし、修理に出そうかな?とお考えになった場合です。

 

 

これは、修理屋さんの考え方ややり方によるのですが、このような、靴底が斜めになってしまっている靴を修理に出すと、土台の潰れたスポンジから手を加えて平らになるように直す人と、土台は斜めのまま、減ったゴムだけを交換する人がいます。

 


つまり、せっかく修理をしても、斜めのままの靴が返ってきてしまうということです。

 


修理をしないほうが良いということはありませんが、修理にもっていった先で、平らにしたいということをしっかりと伝えて、そういう修理に対応しているかどうかを聞いてから依頼するようにしましょう。

 


以上『膝の痛みを治したいなら注意するべき意外と不安定になりやすい靴』についてお話しました。

 

 

膝の痛みを治すうえで、靴への注意は欠かせません。

 

 

治療家の方なら、患者さんの靴を必ずチェックして、アドバイスを行って欲しいと思います。

 

 

ご自身が膝に痛みをお持ちなら、3足くらいの靴を交互に履いて、靴をいつでも修理に出したりできる状態を作っておいてください。

 

 


膝の痛みが早くよくなるといいですね。