足の痛みの専門家による足と靴の悩み対処法

足底筋膜炎治療家として日々の仕事で受けた質問や、行ったアドバイス、対処などを紹介するブログ。足底筋膜炎は多種多様で、想像以上に奥深く、根深い。足底筋膜炎に20年以上悩まされた経験から、少しでも同じ悩みの人の役に立ちたいと思っている。

足の痛み内側のまとめ。足の内側の痛みを、付け根、太もも、膝、ふくらはぎ、すね、甲の順に解説。ランニング時の注意点付き!

足の痛み内側のまとめ。足の内側の痛みを、付け根、太もも、膝、ふくらはぎ、すね、甲の順に解説。ランニング時の注意点付き!

足の痛み内側のまとめ。足の内側の痛みを、付け根、太もも、膝、ふくらはぎ、すね、甲の順に解説。ランニング時の注意点付き!

「足の内側の痛み」というと、具体的なように感じるかもしれませんが、専門的には非常に抽象的というか、おおざっぱな表現です。

 

普段足の痛みの相談を受けていてよく遭遇するのが、こういう“表現のズレ”です。

 

どういうことかというと、一般の方が痛い場所を説明する時、解剖学的に正確な表現でないことは当たり前なのですが、そのせいで患者さんが思っている場所と、我々が思う場所にずれが生じてしまうということなのです。

 

この記事では、なるべく患者さん目線で「もしかしたらここのことを言っているのかな?」ということを説明したいと思います。

 

また、足の痛みが各部分の内側に出ている場合、それぞれの原因と、共通の原因があるかもしれません。

 

かといって、足は大きな筋肉が複雑に交差し、構造的にも複雑です。

すべての可能性を追求していたら本になってしまいますから、ここでは、セルフケアによる対処法がありそうな症状や状況を中心に紹介します。 

 

 

 

太ももの付け根の内側にでる足の痛みは何?原因と対処法

太ももの付け根の内側にでる足の痛みは何?原因と対処法

太ももの付け根の内側にでる足の痛みは何?原因と対処法

 

太ももの付け根というと、股関節のことを指すことになりそうですが、太ももの付け根の内側が痛いということなら、恥骨結合の痛みを疑ってみても良いでしょう。

 

「恥骨?知ってるけど私が痛いのはそれじゃないよ」という人には、この記事はお役に立てません。

 

恥骨という骨は骨盤を形成する骨で、体の前面中央で左右がくっつきます。そのくっついた部分を恥骨結合と言います。

 

おへそに指をあて、その指を真っすぐ下におろしていくと骨に当たり、その部分が恥骨結合の上の端です。

 

もしも痛い場所がその近辺だったら、医療機関で相談する際は、恥骨の辺りに痛みがあると言いましょう。では、もう少し読み進めてみて下さい。

 

恥骨結合は、関節ではなく、面と面が連結されているだけなので、負荷に弱いとも言えます。

 

そのため、激しい運動による繰り返しのストレスによって痛くなったり、出産時には緩むので、そのまま子育ての負担が掛かることで痛みを生じることもあります。

 

恥骨だけが痛い場合には、様子を見ながら、痛みがひどくなるようなら整形外科を受診しましょう。

 

痛みがお腹などの周辺に広がったり、熱が出る様なら問題が恥骨自体ではないかもしれませんから、医療機関を受診しましょう。

 

その場合、男性なら消化器内科で良いでしょう。女性の場合は月経との関連が疑われたり、おりものの異常が見られた場合には婦人科が第一選択となります。

 

 

 

 

太もも内側の足の痛み 気づかないところで力が入っていませんか!?

太もも内側の足の痛み 気づかないところで力が入っていませんか!?

太もも内側の足の痛み 気づかないところで力が入っていませんか!?

太ももの内側の痛みには、あまりこれと言ったものが無いのですが、痛みが皮膚表面なのか、のばしたときや押したときに痛いのかによって少し状況が違ってきます。

 

皮膚表面なら

痛みが皮膚表面の場合は、閉鎖神経痛というものがあります。痺れがひどい、痛くて夜寝られないなどのつらい症状なら病院へ行くべきですが、特に思い当たるきっかけのようなものが無いのなら、少し様子を見ても良いでしょう。

 

よくよく痛みを観察してみると、いつも痛いわけでは無かったりもします。

 

疲れや、何らかの気づかない間の圧迫などがあったのかもしれません。

 

この神経は、取り除いた場合でも日常の生活動作に支障がないという報告もあります※1ので、神経にダメージがあっても、気づきにくいということがあるのかもしれません。

 

 

伸ばしたとき、押したときに痛い

この場合はやはり筋肉の痛みとなります。痛い筋肉を指し示しやすいので、原因筋肉が分かりやすいですね。

 

私の経験ですが、バイクで事故に遭ったとき、翌朝からももの内側の筋肉が、ものすごい筋肉痛になりました。

 

バイク事故とは言わないまでも、自転車で誰かが飛び出してきて急ブレーキをかけたとか、

ご自身が痛みのきっかけになるとは思いもしないことが原因になっている可能性もあります。

 

※1加藤 典子, 市橋 則明, 坪山 直生, 閉鎖神経を切除した2症例の運動学的考察, 理学療法学Supplement, 2004, 2003 巻, Vol.31  

 

 

変形にはまだ早い年齢なのに膝の内側の足の痛みがある人の対処法

変形にはまだ早い年齢なのに膝の内側の足の痛みがある人の対処法

変形にはまだ早い年齢なのに膝の内側の足の痛みがある人の対処法

膝の内側には痛みの原因がたくさんあります。

 

最も有名なのは変形性膝関節症でしょう。他にも、半月板損傷や、側副靭帯炎などもあります。

 

ここではあえて、膝の内側に痛みがあるけれど、まだ病気というわけでは無い膝の痛みについてお話しておきたいと思います。

 

紹介するのは2タイプで、一つは靴の外側が減るタイプの人、もう一つは靴の内側が減るタイプの人です。

 

靴の外側が減るタイプ

まだ、10代20代30代で、変形性膝関節症というには若く、大きな変形をしているようには見えない足でも、膝の内側に痛みが出ることはあります。

 

歩いていると出てくることが多いですが、場合によっては立つだけでも痛いことがあります。

 

こうした痛みは、捻挫癖があるような足、つまり、足の外側で立っていて、長く歩くと足首を、足の裏が見える方向に曲げたくなるような人に起こりやすいのが特徴です。

 

レントゲンを撮ったりすると、人によって何らかの変化があるかもしれませんが、多くのケースで、インソールを使うこと、靴の踵の減り具合に気を配ることによって痛みの解消が可能です。

 

もしも、こういう痛みがあって、まだ若いのなら、靴の底を見てみましょう。

 

外側がたくさん擦り減って、その靴を床に置くと、外側に傾いたりしませんか?

 

それはつまり、足が外に傾き、膝の状態が変形性膝関節症になってO脚になっている足と同じになってしまっているせいで生じている痛みだと考えられます。

 

一刻も早く靴を平らにしましょう。

 

修理をするか、買い替えるか、持っている靴でそこがあまり減っていない靴を履くなどしてください。

 

状況的にまだ軽い場合、先ず靴を平らにしてみて、平らな靴を履いていれば痛みが出なくなったならとりあえずはオッケーですね。

 

なるべく早めに修理するか買い替えるかしながら、靴底が平らな状態をキープしていくことで、痛みのない状況を続けて下さい。

 

油断をすると、痛みが出てきてしまいます。

 

長くこの状態で過ごしている場合、状況は不利になります。

 

理由は、足に外倒れの癖がついてしまっているからです。

 

そうなってしまうと、靴を平らにしただけでは改善に至らない場合がほとんどです。

 

この場合はオーダーのインソールが最も有効です。

 

何故オーダーかというと、この場合、インソールで足のアライメントを整えることが大切なのですが、一般的な土踏まず(アーチ)を持ち上げることを目的としたインソールではかえって膝の痛みを強くしてしまいかねません。

 

改善のためには足の状態と足の特徴に合わせて設計する必要があります。

 

きっちりと対処したいとお考えなら、この話を理解して製作することができる店でオーダーするのが良いでしょう。

 

 

靴の内側が減る偏平足タイプ

靴の内側が減るタイプで、膝の少し下の内側が痛いなら、鵞足炎の可能性があります。

 

鵞足というのは、縫工筋、薄筋、半腱様筋という筋肉が、集まってくっついているところの名称で、その場所が今回の痛みの場所である、膝の内側で、膝関節よりも少し下のあたりというわけです。

 

偏平足に伴って、脛の骨が内側に捻れると、この部分に負担が掛かります。

 

このタイプでは、土踏まずを持ち上げてくれるインソールが有効ですので、土踏まずをしっかりと持ち上げるタイプの既製品のインソールでも効果を得られる可能性が高いです。

 

それと、鵞足を構成している筋肉をストレッチすることも有効です。

 

 

ふくらはぎの内側に出る足の痛み?シンスプリントは次の脛の内側で解説します。

ふくらはぎの内側に出る足の痛み?シンスプリントは次の脛の内側で解説します。

ふくらはぎの内側に出る足の痛み?シンスプリントは次の脛の内側で解説します。

候補が4つあって、一つは腓腹筋というふくらはぎの大きな筋肉の肉離れです。

 

もう一つは、シンスプリントというものなのですが、見出しに書いた通り、これについてはふくらはぎの内側というよりも、脛の内側と言った方が正確になるので、脛の内側で説明をすることにいたします。

 

次は静脈瘤ですが、こちらもふくらはぎを見て静脈の膨隆があるかどうかを見るとわかるかと思います。

 

最後はむくみです。むくみも人によっては痛みになることがあります。ただし、ふくらはぎの内側だけということも無いので、むくみに書いた記事をご覧ください。

 

では、ここでお話するのは腓腹筋の肉離れについてです。

 

腓腹筋の肉離れといっても、病院に行っていないとしたら、それほど悪い状況ではないのでしょう。

 

熱感があれば冷やしましょう。そして、安静にしましょう。

 

 

 

脛(すね)の内側にある足の痛みシンスプリントならインソールがおすすめ

脛(すね)の内側にある足の痛みシンスプリントならインソールがおすすめ

脛(すね)の内側にある足の痛みシンスプリントならインソールがおすすめ

ふくらはぎの内側と感じる人もいるかもしれませんが、この記事では脛の内側として紹介しましょう。

 

シンスプリントというのは、下腿の脛の内側に起こる痛みの名称で、はっきりと何が原因ということが判別できないときにも用いられる用語です。

 

膝から下を下腿(かたい)と言います。

 

この下腿は脛の骨(脛骨けいこつ)と外側の骨(腓骨ひこつ)で構成されていて、この脛骨と腓骨という2本の骨は、間を骨間膜という組織でつながっています。

 

つま先立ちをしたり、足の指を曲げたりする筋肉は、足のアーチにも深く関わっていて、それらが始まる場所としてくっついているのが、脛骨、腓骨、骨間膜です。

 

それらの筋肉への負担が、筋肉が始まっている部分に痛みを生じて、脛の内側の痛みとして感じられるのです。

 

私の店では、学生のスポーツをしている人に特に多く相談を受けます。

 

ほとんどの人に同じ足の特徴があり、対処としてはやはりインソールが有効です。

 

自然に治癒する場合もあるそうですが、スポーツや競技を続けたい場合には、いかにして原因となる筋肉の負担を軽減するかが大事になってくるので、競技中ずっと足をサポートし続ける事ができるインソールが最も適していると言えるでしょう。

 

シンスプリントについては、詳しく別の記事を作って紹介します。

 

 

足の甲の内側の痛み有痛性外脛骨は靴の問題が大きい話

足の甲の内側の痛み有痛性外脛骨は靴の問題が大きい話

足の甲の内側の痛み有痛性外脛骨は靴の問題が大きい話

足の甲の内側の痛みで多いのは、有痛性外脛骨でしょうか。

 

足の甲の内側にある舟状骨という骨のさらに内側にできる、過剰な骨を外脛骨というのですが、その外脛骨に痛みが出てくることで、有痛性外脛骨となります。

 

つまり、出来る人はいるけれど、痛みが無ければ問題が無いというものです。

 

多少のずれはありますが、位置の目安は、内側のくるぶしと、親指の付け根を結んだ線上の真ん中くらいの位置で、飛び出している骨があればその部分です。

 

ネットを見ると、有痛性外脛骨の治療などが出てくることがありますが、靴を履くことで、この部分が圧迫されて痛みを出している場合、しばらく靴を履かなければ痛みが無くなる場合には、問題解決は靴の見直しや靴の加工となるでしょう。

 

偏平足に伴って痛みが出ると言われ、インソール(足底板)を病院で作ることを勧められる場合もありますが、そうした場合にも、靴の加工は行うべきです。

 

急に痛くなったため、急に発症したと思う人が多いですが、靴を変えたことによって外脛骨が靴に当たるようになり、そのせいで痛みが出たということは多いです。

 

特に増えるのは、中学や高校に進学してローファーを履くようになったタイミングで痛くなることです。

 

ローファーは、ただでさえ履き口が丁度外脛骨の高さにあることが多く、当たってしまいやすいのに、履き口の補強によって特別硬くなっている靴も多いため、痛くなる場所に硬いものを押し付けながら歩いていることになります。

 

靴の履き口と、足の外脛骨の位置を工夫してずらしてあげるだけで解決する場合もあります。

 

競技用のシューズでも同じことが言えますね。

 

 

 

足の内側に痛みがある人のランニングの注意点

大切なのは、自分の痛みをよく観察することです。

 

足の内側、足の付け根、太もも、膝、ふくらはぎ、脛、足の甲の痛みの場合、外側の仁多見と違って共通した注意点というのはありません。

 

だから、ひとりひとりで注意点を見つけなくてはいけないので、そのためのポイントを説明します。

 

足の外側の痛みでは、足が外側に傾くことで、全体にストレスが増えると言えますが、足の内側の痛みでは、外に傾くことで増えるストレスもあれば、足が内に傾くことで増えるストレスもあります。

 

一つの万能な正解があると嬉しいですが、それが無いから悩む人が多いのが実際のところです。

 

そういう場合、何よりも大切なのは、自分の痛みがどういうときに強くなり、どういうときに弱くなるか、歩くと痛い、触ると痛い、押すと痛い、のばすと痛い、といった具合に、痛みの変化に注意を払い、痛みが増える原因と、軽くなる状況を探すために、よく観察することです。

 

靴によって痛みが違うなら靴を見直すべきで、いくら体のケアをしても解決は難しいでしょう。

 

逆に、靴を履いていても履いていなくても痛みがあり、痛みの変化が姿勢によっておこるのなら、痛みが軽くなる姿勢に導く方法を考えましょう。

 

その方法は、体のケアかもしれないし、靴やインソールで行えるのかもしれません。

 

ランニング中だけで痛いのなら、痛みはどのくらい走ると出るのか。

 

ランニングシューズで同じ時間や距離、歩いている分には痛みが出ないのか。

 

いつも同じコースを走っているのなら、コースを変えたらどうか。逆回りに走ったらどうかなども検討すると良いでしょう。

 

体の特徴は変化しますが、変わらない部分も大いにあります。

 

痛みが出やすい特徴があるなら、その対処法を見つけておけば、痛みが出ないようにコントロールできるようになるでしょう。

 

同じ動きを繰り返すランニングというスポーツでは、ストレスが生じると同じところに同じようにかかり続けてしまいます。

 

ですから、よく観察して、自分の足や体、履いている靴について、注意点を見つけることが大切です。

 

観察して得た情報をうまく使いこなせないと、注意点が見つからないということになりますね。

 

その場合は是非、専門家に相談してください。

 

その時にもきっと、ご自身を観察した情報は役に立ちます。