足底筋膜炎に踵だけのインソールは有効なの?衝撃吸収とアーチサポートは十分?
足底筋膜炎で踵が痛いという人から、踵だけのインソールでも効果ありますか?と聞かれることがよくあります。
そういう質問は、皆さんこういう流れで思いついているのだと思います。
インソールに興味を持った理由
1踵が痛くて足底筋膜炎と診断された又は足底筋膜炎だと思う。
2踵の痛みと言えば衝撃吸収が大事だと思う。
3足底筋膜炎にはインソールが有効らしい。
踵だけのインソールで良いと思った理由
1踵が痛いから踵だけのインソールで良いのかな?
2靴がピッタリだから、踵だけのインソールなら持っている靴が使えるかな?
といったところではないでしょうか。
そんな方がこの記事を読むと分かることは、「自分の痛み」が踵だけのインソールで痛くなくなるかどうかです。
- 結論
- 踵接地の瞬間のみ痛いタイプの足底筋膜炎:衝撃吸収できる踵だけのインソールが有効なタイプはこれだけ
- 踵接地と蹴りだしも痛い足底筋膜炎:踵だけのインソールよりアーチサポートなど通常のインソールが有効なタイプ
- 場所が明確でその場所に体重が乗ると痛い足底筋膜炎:踵だけのハーフインソールでもオーダーなら良いタイプ
結論
先におおまかな結論からお話すると
・踵の痛みには3タイプある
・ごく少数を除いて基本的には踵だけのインソールでの対処は無理
・特に踵のパッドでは無理。ハーフインソールなら可能性あり
です。
というのも、踵が痛い足底筋膜炎ということで考えられる状況は3つ、そして「踵だけのインソール」という表現で考えられるインソールが2つあります。
ここから先は、3つの痛みのタイプごとに踵だけのインソールが有効かどうかを解説していきますので、ご自分の痛みと合う内容を探して、痛み対策にお役立てください。
「踵だけのインソール」とは何かの確認
最初に、「踵だけのインソール」という言葉について確認しておきましょう。
「踵だけのインソール」という表現をする人は、人によって2種類の違うインソールをイメージしていることがあります。
一つは、踵部分のみのパッド
もう一つは、指の付け根の後ろから踵までのハーフタイプのインソールです。
1つ目の踵のみのパッドは、あくまでもパッドなので、インソールとは呼ばないことが多いのですが、これのことを指してインソールという方もいらっしゃるので、区別をしておきたいと思います。
2つ目のハーフインソールは、指の付け根から後ろのみなので、普通のインソールと比べて指の付け根部分の靴がきつくならなくて済むというメリットがあります。
この記事の中では、踵パッドとハーフインソールとして表現していきますので、違うものだということを知っておいてください。
踵接地の瞬間のみ痛いタイプの足底筋膜炎:衝撃吸収できる踵だけのインソールが有効なタイプはこれだけ
踵接地の瞬間だけに痛みが走るタイプの足底筋膜炎というのは、普通に立って、足裏に体重が掛かっても痛くないということです。
踵接地の瞬間以外は、足の裏を指で押しても痛い所は無い場合というのは、足底筋膜炎の中ではかなり少ないタイプの話になりますが、踵だけのインソールである踵パッドでもある程度有効です。
しかし、市販の踵だけのパッドは、構造的にそこまで厚くないことがほとんどですから、効果としては弱いです。
また、しっかりとした厚みをもった踵だけのパッドを靴に入れると、衝撃吸収としての役割は果たせても、それ以外の不都合が色々と出てきてしまいます。
簡単に言うと、履き心地がとっても悪くなってしまうということですね。
よく、「卵を落としても割れない」という謳い文句の衝撃吸収素材がありますが、卵が割れないようにするだけの衝撃吸収には2センチ以上、素材によっては6センチなんてのもありますから、あまり現実的ではありません。
だったら、靴の中で、ソールのかかと部分が厚く、クッション性に富んだものを履く方がよっぽど効果的です。
実際、ヒールが硬くて衝撃が強い、紳士の革靴では、接地衝撃を和らげるためにヒールの一部分をクッション性の高い素材に置き換える加工をすることもあります。
一方で、ハーフタイプのインソールは、踵のみパッドよりも厚くすることが可能なので、効果のあるものを作ることができます。
しかし、既製品では、厚みが足りないものや、素材が硬い場合もあり、衝撃吸収を謳ってはいても、このケースとの相性が良いものは少ないです。
その辺を考慮して作ってあるインソールであれば、それ単体で有効ですが、そうではない場合、やはり靴底のクッション性に期待して、インソールはその補助的な役割と考えるほうが良いかもしれません。
まとめ
・踵接地時にのみ痛みが出るタイプの足底筋膜炎では、踵パッドは有効だが、補助の範疇を出ることはない。
・ハーフインソールは、このケースに合わせて作られている物なら有効。既製品なら試着して効果を確認しよう。
・厚みがあり、クッション性に富んだ靴底を持った靴はとても効果的で、補助的に踵のみパッドや既製のハーフインソールを使うと良い。
踵接地と蹴りだしも痛い足底筋膜炎:踵だけのインソールよりアーチサポートなど通常のインソールが有効なタイプ
このタイプは、踵接地時も痛いので衝撃吸収は有効なのですが、痛みの改善には通常の足底筋膜炎に対応したインソールの方が有効です。
場合によっては、通常のインソールを使用することで、踵部分に衝撃吸収などをしていなくても痛みが改善される場合があります。
この場合の通常のインソールというのは、つま先まである全敷きのインソールと、ハーフインソールも含まれています。
つまり、このタイプで『踵だけのインソール』が有効かというと、全てではないけれど、ハーフインソールは有効だと言えます。
また、蹴りだしが痛いということについてはインソールで対処し、踵接地の痛みは、靴自体の靴底のクッション性に衝撃吸収を任せるという方法が最も良いでしょう。
もちろん、オーダーインソールの場合なら、インソール事態に十分な衝撃吸収を着けてあげる事ができます。
しかし、このタイプでは、普通の足底筋膜炎の対処だけで良くなるケースが多くみられるため、インソール事態に過度な衝撃吸収を付けると、踵接地時の痛みが無くなった時に邪魔になってしまいます。
オーダーインソールで、踵の衝撃吸収は後からでも付けられるという場合には、先ずは靴自体の靴底のクッション性+インソールで様子を見るほうが良いと考えています。
まとめ
・大事なのは衝撃吸収よりも足自体のサポートをするインソール
・ハーフインソールは有効だが、踵パッドは有効とは言えない
・初期では、靴自体の靴底のクッション性が有効で、痛みが無くなったらインソールのみで良い
場所が明確でその場所に体重が乗ると痛い足底筋膜炎:踵だけのハーフインソールでもオーダーなら良いタイプ
このタイプは、オーダーメイドのインソールでないと意味が無いと言っていいでしょう。
画像では、病院で足底筋膜炎と診断された2人の同じ症状の方が、ご自身で痛い場所を指さしています。
2人の症状は全く同じで、指で押しても、立っても、ピンポイントの痛い場所が押されると痛いですが、痛い場所が微妙に違うのが分かると思います。
それが、既製品では対処しきれない理由です。
ピンポイントの痛い場所はストレスが掛からず、それ以外の場所にはしっかりと体重が乗るようにする。
そんなインソールが必要なので、ひとりひとり痛いポイントが微妙に違うこのタイプの足底筋膜炎は、オーダーでなくてはいけません。
そして、適切に作られていれば、ハーフインソールでも効果は絶大です。
ただし、適切に作ることができていないインソールをよく見ます。
オーダーなら何でもよいというわけでは無く、また、病院で作られるインソールでもこのタイプにきちんと対応できていないことが多いようです。
踵だけのパッドや、普通のインソールのような場合、踵部分にどれだけクッション性を持たせたとしても、痛い場所とそれ以外の場所が同じように接するようでは効果はありません。
このタイプでは、座った状態で、足を浮かしていれば痛くありませんし、歩いても、この場所が着かなければ痛くありません。
でも、着かない訳には行かない場所なので大変です。
だから、どんなにクッション性があるものの上に足を置いたとしても、その場所が接地してしまっては痛みが出てしまうのです。
適切に作られていれば、踵だけのインソールつまりこの場合はハーフインソールでも、効果絶大です。
踵のみのパッドは何の役にも立ちません。
まとめ
・このタイプの足底筋膜炎をきちんと理解してインソールを作る必要がある。
・踵だけのインソールも有効ではあるが、適切に作られていないと意味が無い。
以上が、「足底筋膜炎に踵だけのインソールっていいの?」と聞かれたときにお応えしている内容です。
オーダーのインソールはやはり高額ですから、既製品で試してみてからでも良いと思います。
ただ、「全く不向きですよ」と言っている部分については、お金の無駄になってしまうので、試すのもやめたほうが良いかなぁと思います。
参考になれば幸いです。