足の痛みの専門家による足と靴の悩み対処法

足底筋膜炎治療家として日々の仕事で受けた質問や、行ったアドバイス、対処などを紹介するブログ。足底筋膜炎は多種多様で、想像以上に奥深く、根深い。足底筋膜炎に20年以上悩まされた経験から、少しでも同じ悩みの人の役に立ちたいと思っている。

足の痛み外側のまとめ。足の外側の痛みを、付け根、太もも、膝、ふくらはぎ、すね、甲の順に解説。ランニング時の注意点付き!

足の痛み外側のまとめ。足の外側の痛みを、付け根、太もも、膝、ふくらはぎ、すね、甲の順に解説。ランニング時の注意点付き!

足の痛み外側のまとめ。足の外側の痛みを、付け根、太もも、膝、ふくらはぎ、すね、甲の順に解説。ランニング時の注意点付き!

足の痛みが各部分の外側に出ている場合、それぞれの原因と、共通の原因があるかもしれません。
かといって、足は大きな筋肉が複雑に交差し、構造的にも複雑です。
すべての可能性を追求していたら本になってしまいますから、ここでは、セルフケアによる対処法がありそうな症状や状況を中心に紹介します。


太ももの付け根の外側にでる足の痛みは何?原因と対処法

太ももの付け根の外側にでる足の痛みは何?

太ももの付け根の外側にでる足の痛みは何?

大転子(だいてんし)という言葉を聞いたことがありますか?

大転子というのは、股関節を90曲げて、深く曲がったところを辿って外側に行くと触れる、ぼこっとした骨の出っ張りの名前です。

 

 

この大転子には、大きなお尻の筋肉がいくつもくっついていて、そういう筋肉が大転子の上を通るところに、滑液包(かつえきほう)というクッションが存在します。

さらにお尻の一番大きな筋肉もこの上を超えて走行していて、そこにも滑液包があるんです。

 

 

その滑液包が炎症を起こす、滑液包炎というものがあります。

 

 

滑液包は全身の筋肉や腱と骨の間にありますが、中でも負担が大きく炎症が好発する場所がいくつかあり、そのうちの一つがこの大転子の部分です。

滑液包炎自体は原因が不明ですが、強くぶつけるなどの外的な力が要因になったりします。

 

 

また、滑液包のお世話になっている筋肉が硬いことも要因の一つとしてあり得ます。

お尻の筋肉は姿勢の維持や歩行でたくさんの負荷がかかりますから、疲労によって筋肉が硬くなることが滑液包炎のきっかけとなっていることもあり得ます。

 

身体が硬いと感じている人、筋肉の硬い人では、何もしなくても負担が大きいので、普段からこまめにストレッチをするなどして、お尻周りの筋肉を緩めましょう。

 

 

疲労が濃い場合などは、セルフケアではありませんが、鍼施術で過緊張を緩めることが出来るので有効です。

 

 

太もも外側の足の痛みはヘルニアじゃなくて、服のせいかも!?

太もも外側の足の痛みはヘルニアじゃなくて、服のせいかも!?

太ももの外側に痛みやしびれが出ているたら「ヘルニアかも」と心配になっていませんか?

太ももの前から外側の痛みとして、大腿外側皮神経痛というものがあります。

 

 

この神経は、太ももの付け根で骨盤から出てきて、太ももの前と外側に広がっているのですが、大腿外側皮神経痛は、太ももの付け根が締め付けられるような服装によって、圧迫され、痛みが太ももの方に出現することがあるのです。

 

 

きついガードルなどの補正下着によって締め付けられていないか、又は、硬い素材の細身のパンツでしゃがむ姿勢を長くとったり、ポケットに物が入った状態でしゃがんだりなど、太ももの付け根の圧迫が起こっていないかを見直してみて下さい。

 

 

症状が出始めてしばらくたっている場合には、それらのストレスが無くなってもすぐに症状が消えるということは難しいでしょうが、時間が経てば、徐々に軽くなっていくことを実感できるでしょう。

 

 

逆に言うと、2-3週間程度そういう圧迫が起こらないようにしても症状が全く変わらないなら医療機関に相談しましょう。

また、圧迫を無くしたのに症状が強くなってしまうようなら、それも医療機関を受診して、その旨伝え他方が良いです。

 

膝の外側の足の痛み、ランナーじゃなくてもランナー膝かも

膝の外側の痛み、ランナーじゃなくてもランナー膝かも

膝の外側の痛み、ランナーじゃなくてもランナー膝かも

膝の外側では、ランナーの人に痛みが出ることの多いことからランナー膝と呼ばれている症状があります。

腸脛靭帯炎というもので、もちろんランナーだけに起こるものではありません。

 

 

腸脛靭帯というのは、太ももの外側を縦に走る長い帯状の伸びのないしっかりとした組織で、立った時に太ももの外側を触ると、筋肉とは違う硬い筋があるのがわかります。

上の方では幅が広いですが、下の方、膝に近づくにつれ細くなっています。

 

 

膝は、太ももの骨「大腿骨」と、脛の骨「脛骨(けいこつ)」と膝のお皿「膝蓋骨(しつがいこつ)」で構成されていて、骨盤から始まる腸脛靭帯は、膝関節をまたいで脛骨の上の方にくっついています。

 

 

ストレスがかかるのはひざの関節を超える時で、大腿骨の下の端の出っ張ったところを通過するところで、腸脛靭帯が大腿骨に擦られるような形となるため痛みが生じます。

 

 

ランナーは、太ももとお尻の筋肉に力が入った、腸脛靭帯が緊張した状態で何度も繰り返し擦られるので、腸脛靭帯炎を起こしやすいことから、この疾患がランナー膝と呼ばれるのですね。

 

 

もちろん、ランナー以外にも腸脛靭帯炎は起こります。

ランナーかそうでないかを問わず、O脚は腸脛靭帯炎のリスクが高くなります。そして、体はO脚ではないとしても、外側が擦り減った靴では、外側への荷重が増すので、O脚と似たような状態になり、やはりリスクが高まります。

 

 

O脚のようなアライメント異常は、インソールで矯正が可能です。

靴については、こまめに靴底を確認して、減っていたら早めに修理するか買い替えるなどの対策をとることが、回復や症状軽減につながります。

 

ふくらはぎの外側に出る足の痛みそれってこれの事では?

ふくらはぎの外側に出る足の痛みそれってこれの事では?

ふくらはぎの外側に出る足の痛みそれってこれの事では?

ふくらはぎの外側が痛いという相談は少ないのですが、よく話を聞いて、痛い場所を指さしてもらうと、腓骨筋という筋肉を示します。

 

 

ふくらはぎの外側というよりも、足の外側の筋肉で、足の裏を外側に向け、つま先を下に下げるように働く筋肉です。

 

 

ふくらはぎの外側の痛みと言われた時は、この筋肉が、長く歩くと痛くなるという症状でしたので、ここではそれについて説明していきます。

 

 

腓骨筋に多くの負担をかけている人はたくさんいます。それなのにこの筋肉が痛いという声が少ないのは、最も負担のかかる足首付近で症状を出すことが多いことが理由です。

 

 

決まって長く歩くと痛みが出るということだと、日々の負担を軽減するのが対処法として有効でしょう。
この場合は、先の膝の項目でも説明したように、インソールによるサポートと、靴底や踵の外側が減っていたら早めに修理や買い替えを行うことです。

 

 

また、このような筋肉の中腹での痛みは、ファシアという組織の異常又は癒着もあり得ます。

それによって何が起こっているか、結論だけを言うと、痛みを感じやすい状態になっているということです。

 

 

それを改善するためのセルフケアとしては、痛みのある場所の上に、棒状のものを当てて、ころころ転がすと良いかもしれません。
それによって、ファシアの癒着を改善し、血流を増やすことで過度に痛みを感じやすい状態ではなくなり、症状の改善につながるかもしれません。

 

脛(すね)の外側にある足の痛みは古よりの治療ポイント

脛(すね)の外側にある足の痛みは古よりの治療ポイント

脛(すね)の外側にある足の痛みは古よりの治療ポイント

「月日は百代の過客にして、行き交ふ年もまた旅人なり。」から始まる松尾芭蕉奥の細道の序文に、こんな一文があります。

「股引の破れをつづり、笠の緒付けかへて、三里に灸すゆるより、松島の月まづ心にかかりて、住める方は人に譲り、・・・」

 

 

ここに出てくる「三里」というのはツボのなまえで、脛の骨を下からさすり上げて、骨のふくらみで止まったところの外側、脛の骨から指一本分はなれたところにあるつぼです。

 

 

このツボは、脛の外側にある、前脛骨筋(ぜんけいこつきん)という、つま先を上に持ち上げる筋肉の上にあって、この筋肉は歩いている間、足を上げるたびにつま先を上に上げている筋肉です。

 

 

ほとんどすべてが徒歩だった昔の旅ではこの筋肉が疲れて痛くなることは避けられなかったのでしょう。自分でお灸をして、又は旅の共にしてもらってのセルフケアが必要だったのですね。

 

 

ところで、脛の外側にある足の痛みですが、たくさん歩いたことが原因だったり、靴が原因だったりして、この前脛骨筋に痛みが出ることがあります。しかも、一度出ると数日続くこともあります。

 

 

もしも、たびたびこの場所に痛みが出るとか、長く歩くと痛くなるとか、最近靴を変えてから痛くなるようになったなどの場合には、前脛骨筋の疲労による痛みを疑ってみると良いでしょう。

 

 

対処法は、靴が原因かもしれない場合はそれ以外の靴に変えてしばらく過ごす。松尾芭蕉のようにお灸を据える。鍼も有効ですが、セルフケアなら腓骨筋のケアでも紹介した、丸い棒を痛みの部位に当てて、ころころ転がしてマッサージをするのが良いでしょう。

 

足の甲の外側の痛み

足の甲の外側の痛み

足の甲の外側の痛み

足の甲の外側の痛みで多いのは、ジョーンズ骨折と呼ばれる疲労骨折です。

 

 

私のところ(ルッチェ)では、骨折治癒後にインソールを作りに来る人はいますが、骨折している状態での相談は今のところ来たことがありません。

 

 

ルッチェでは、全国の治療院やトレーナーから、患者さんのインソールのオーダーを受けていて、学生のスポーツでのこの部位の骨折ごのインソールオーダーはとても多いです。

 

 

多くの足で、体重が外側に掛かりやすい足をしているところから、立ち方、接地の仕方がリスクとなっていることは十分に考えられます。

 

 

整形外科にてレントゲンを撮ってもらって、骨折の有無を確かめましょう。

骨折が無かった場合も、骨折に至っていないけれど負担が大きいということが考えられるので、激しいスポーツをしている場合や、学生など若い場合にはインソールによるサポートが有効です。

 

 

この、ジョーンズ骨折は軽い痛みから始まって徐々に痛みが強くなるものの、腫れもなく、歩くことは出来てしまうので、放置していて、病院に行ったらすでに治った後だったということもあるようですが、変にくっついて悪化してしまうということが無いよう、油断しないで違和感を感じたら病院へ行きましょう。

 

 

足の外側に痛みがある人のランニングの注意点

全員に共通して言えるポイントとは大きく2つです。

 

1靴底の外減りしたシューズとわざとスピネーションさせるシューズをやめる。

2傾きの無い道を走る。やむを得ない場合、傾きの同じ側ばかり走らない。

 

足の外側が痛い人に共通して言えるのは、足が外側に倒れることがストレスの原因になっている可能性が高いということです。

 

 

ランニングのフォームを修正することも大切なことですが、土台となる靴、そして地面が斜めになっていると、せっかくのフォームの修正も難しくなるどころか、体への負担を大きくしてしまいかねません。

 

 

痛みが出たら休むのが何よりですが、痛みが出ても走るのなら、せめて靴底はきちんと確認して、片方に強く減っていないものを履くようにしましょう。

 

 

そして、広めの道を走れるのなら中央を、歩道や車道の端の、傾斜のあるところを走らなければいけないのなら、痛みのない足の方に傾いている側を走るようにしましょう。