足底筋膜炎にインソールを病院の健康保険で作りたい。費用・方法・品質について解説
医師がテレビなどのメディアを通じてインソールについての説明をすることが増えたこともあり、保険適応でインソールを作りたいと考える人が増えています。
どうすれば保険適応のインソールが作れるのか、費用や基本的なルールについて、分かりやすいように専門店のインソールとの比較を交えながら説明したいと思います。
この記事で分かること
・足底筋膜炎の保険適応インソールの費用について
・足底筋膜炎の保険適応インソールはどうすれば作れるのか
・保険で作るインソールと専門店のインソールの違いについて
・足底筋膜炎の保険適応インソールを作る時の注意点
また、保険適応のインソールは、足底板と呼ばれますが、ここではインソールという表現で通すことにします。
【大前提】足底筋膜炎に保険適応でインソールを作るということ
よく誤解があるぶぶんなので、先に説明しておきます。
・保険適応のインソールというのは、医師の指示があって初めて作ることができる。
・必要という判断が片足の場合、保険適応となるのは片足のみ。
・加入している保険組合によっては足底筋膜炎のインソールを対象としていない。
詳しく説明していきましょう。
医師が診察をして、必要だと判断した場合に提案されて作るもので、医師がその症状に対して、インソールが有効だと判断しなければ作れません。
中には、足底筋膜炎をインソールで改善できるということに懐疑的な医師もいらっしゃいます。
作りたいからといって、病院に行けば注文できるというものではないことをまず知っておいてください。
また、医師の診断によって、片足のみインソールが必要と判断された場合には、保険が適応されるのは片足のみとなることも知っておいてください。
それからもう一つは、加入している保険組合によっては、医師の指示書があったとしても、インソールを保険の対象としていないところがあります。
これについては、ご自身が加入している組合に問い合わせてみるしかありません。
医師の診察を受けて、インソールの作成を勧められたとして、その段階で問い合わせてみましょう。
作ってから事務手続きをしてみたら、支給されない事になった場合は、全額自己負担となってしまいます。
- 足底筋膜炎のインソール 保険適応の場合 費用はお得なの?専門店のインソールと比較
- 病院で足底筋膜炎の医療用インソールはどうやったら作れる?専門店の場合と比較
- 健康保険のインソールの品質は?専門店と違いはあるのか。
- まとめと注意事項
足底筋膜炎のインソール 保険適応の場合 費用はお得なの?専門店のインソールと比較
保険適応のインソール費用
保険適応のインソールは、算出方法によって若干前後しますが、2020年4月現在で、片足が19,000円前後です。
片足ですので、両足の場合は38,000円前後ということになり、この金額は年々少しずつですが高くなっています。
法律によって決められているこの金額は、全額つまり10割の金額で、ご自身の加入している保険の状況によって、何割の負担になるかが変わります。
基本的には窓口の負担割合と同じですので、窓口で3割を払っている人の実質自己負担額は、両足の場合を38,000円とすると、その3割で11,400円となります。
その他に、初診料、診察代(場合によっては検査費用も)、文書作成料などの諸費用が掛かります。
この諸費用も、病院によって変わります。
大きく変わるのは、検査をするかしないかと、病院ごとに違う文書作成料です。
この諸費用については、合計で5,000円から8,000円くらいが平均のように思いますが、正確なことは病院に行ってみて戴かないと分かりません。
また、この諸費用は、片足でも両足でも同じようにかかります。
片足の場合、19,000円の3割なら、5,700円で、そこに諸経費が5,000円だとすると、実質の費用は10,700円です。
そこで、ご自身がもう片足も欲しいといった場合、片足は自費になりますので、10,700+19,000円で29,700円となってしまいます。
また、保険の適応は1年6か月につき1回となります。
2セット目が欲しいとなると、10割相当の実費となりますので、両足なら約38,000円となります。
専門店のインソールとの費用の比較
金額は店によって異なりますが、大まかな相場として
半既製品の両足 8,000~15,000円
フルオーダーの両足 15,000~40,000円
専門店の場合、保険のインソールと違って価格表記は両足です。
例えば、私の店だと初めてインソールを作る場合は両足で25,000円+消費税の27,500円で、2セット目だと20,000円+消費税で22,000円です。
1年6か月以内に2セット以上を作る場合には、健康保険を用いるよりも安くなります。
病院で足底筋膜炎の医療用インソールはどうやったら作れる?専門店の場合と比較
医師の指示の下、健康保険を用いることができる医療用インソールを作るには、病院に行かなくては始まりません。
先ずは大まかな流れを確認しましょう。
1足の裏や踵に痛みがあり、病院に相談に行く。
2診察や検査
3診断でインソールが必要と判断される
4作成
5出来上がりの確認と書類作成
6加入している保険組合で手続き
簡単に言うとこういう流れです。
しかし、健康保険を用いたインソールは、人によって加入している制度が違うため、一概に同じ条件で説明すると、人によっては間違った情報となってしまうかもしれません。
保険の制度に関する部分につきましては、ご自身の該当する制度の窓口にお問い合わせください。
基本的には、病院で出す保険証を管理する団体になるはずです。
こうした手順や手続きを、簡単だと考えるか、面倒だと考えるかも人によって分かれます。
病院で順番を待って診察し、出来上がってからのチェックも順番待ちし、書類ができるのも待つとなると、かなりの時間が必要になります。
その上さらに、上記6の保険組合での手続きがあります。
「作りたい」=「作れる」ではない
このように手続きの流れがあるのを見ると、それにのっとれば作れると思うかもしれませんが、そうとは言えません。
冒頭でも説明した通り、インソールが必要か、作ることが適切かの判断は、診察した医師が行うものです。
欲しいから作れるものではありませんし、診察をすれば作れるものでもありません。
それから、こちらも冒頭でお話しましたが、加入している保険の団体によっては、足底筋膜炎のインソールを保険の適応外としている場合もあります。
その点については、是非作ってしまう前に、加入している保険組合に確認してみて下さい。
作ったけれど、健康保険の適応外だった場合、全額自費負担となってしまいます。
健康保険のインソールの品質は?専門店と違いはあるのか。
健康保険適応のインソールは、義肢装具師という資格を持つ人の下で作られます。
大抵の場合は義肢装具師が在籍する外部の業者が病院へ出向いて採型するのですが、病院内に義肢装具士が在籍している場合もあります。
こうした義肢装具士又はその下で働く技術者の考え方や製作方法、知識、技術によって品質は様々でばらつきがあるのは仕方がないことかもしれません。
私のところにも、病院で作ったというインソールを持ってくる方が多くいらっしゃいますが、優れた物もある一方で、中には、これって既製品じゃないの?と思われるものを見ることもあります。
それというのも、義肢装具師という資格は、義手義足といった非常に高度な技術を求められる職業であるにもかかわらず、装具というのは全身が対象で、内容も多岐にわたるのです。
そうした背景から、全ての人がインソールを専門にしているわけではありません。
業者によって品質にばらつきがあるのは仕方がないこととも言えます。
どういう人、又はどういう会社で作られているのか、事前に知ることが出来れば良いですが、その病院を担当している義肢装具業者については、病院のホームページを見ても、パンフレットを見ても紹介されていません。
ですから、製作者によって病院を選ぶのではなく、病院を選んだ結果、その病院を担当する業者に依頼しなくてはいけないということになります。
病院で医師からインソールを勧められて、業者の方を紹介された際には、医師への信頼をそのまま業者へ向けるのではなく、話を聞き、色々と質問をしましょう。
そのうえで、業者への信頼を寄せることができて、ご自分の悩みを解決できそうだと思ったら、安心して製作を依頼してください。
自分で製作を依頼するべきかも考えるということは、専門店での依頼と変わらないと言えますね。
では次に、専門店の品質について比較してみましょう。
店によってタイプが異なる専門店のインソール
病院で健康保険を用いて作るインソールは言うまでもなく医療目的のいんそーるです。
しかし、専門店のインソールは、店によって目標が違うので、目的によって向き不向きがあります。
目標とは『医療的』『スポーツ』『靴の履き心地』『健康維持』などで、例えばスポーツ用品店のインソールはやはり目標は『スポーツ』のパフォーマンス向上でしょうし、靴屋であれば、大抵は靴の履き心地の向上というわけです。
また、私の店ルッチェは、オーダーインソールの専門店ですので、様々な目標に合わせて要望に応えるインソールを作ります。
特に、悩みはあるけれど、どう目標設定したらよいのかが分からない人は、どこに相談したらよいかが分からずに困っていることが多いです。
そんな方の場合には話を聞いて目標を引き出すお手伝いから行いますので、迷ったら是非当店にご相談ください。
同じ専門店だったとしても、技術や知識については様々です。
しかしそこは、病院で作るインソールのように、法律で金額が決まっているわけではありません。
知識に応じて目標を絞り、技術に応じて金額を調整することができますから、そういう設定を工夫することでバランスをとることができていると考えることもできます。
まとめと注意事項
お金について
・健康保険の組合によっては、インソールが適応対象外となっている場合もある。
・診断次第で片足のみ保険適応となることがあり、もう片足も作りたいときは自費になる。
方法について
・製作には医師の診断が必須「作りたい」=「作れる」ではない。
品質について
・インソールが得意な業者と不得意な業者がある。
・病院の製作業者の情報が事前に分からない。